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使いこなせる? 60%キーボードの初心者が「Razer Huntsman Mini」をひと月使ってみた(2/2 ページ)

机上のスペースが足りない時に欲しくなるのが、コンパクトなキーボードだ。一部のキーを大胆に省略した、いわゆる「60%キーボード」はスペースを節約できるものの、その特性から人を選びがちである。果たして使いこなすことができるのか、「Razer Huntsman Mini」を通して検証してみよう。【訂正】

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キースイッチの違いを比べてみよう

 こうしてHuntsman Miniにも慣れてきたので、ここでLinearとClicky、2種類のキースイッチの違いを確かめてみよう。

 先述の通り、Huntsman Miniは光学式のキースイッチを採用している。「Razer Optical Switch」と名付けられたこのスイッチは、Razer Huntsmanシリーズに共通するもので、スイッチを押し込んで光を通過させると入力を検出する仕組みだ。

 反応のしきい値は、Clickyスイッチ(紫軸)が約1.5mm、Linearスイッチ(赤軸)の場合は約1.2mmに設定されている。

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Razer Optical Switchは押し下げると光が透過し、入力される仕組みだ(出典:Razer)

 打ち心地の違いについて触れると、Clickyはその名前の通り“クリッキー”なので、カシャカシャという、いわゆる「メカニカルキーボード」のテイストを持つ。入力の反応ポイントも深いため、奥まで押し込んでキーを打つイメージだ。

 一方、Linearスイッチは音が静かだ。反応ポイントも浅めなので、それほど力を入れずにキーを打てる。打ち込む音は、擬音語で表すと“ぽこぽこぼこぼこ”といった感じで、机を指でたたいた時に出る音に近い。

 個人的に気に入ったのは、Clickyの方だ。文字入力する場合でも、シャカシャカと小気味いい音が鳴り響くからである。ただし、家人にとってはうるさく感じるようでもある。

 人が近くにいる状態で仕事をする場合はLinearモデルを、自分1人でひたすら打ち込む場合はClickyモデルを選ぶと幸せになれそうだ。


上のオレンジがLinearスイッチ、下の紫がClickyスイッチだ

 あとは、キーの配列を日本語にするか英語にするかという問題もある。これについては、完全に個人の好みの問題なので何とも言いがたいが、筆者は日本語キーボードを選ぶ。

 理由は日本語をかな入力をしているから……ではなく、記号の並びの慣れにある。日本語配列に慣れている筆者としては、記号の配列面で日本語配列にどうしても軍配を上げてしまう。最初に述べたように、ただでさえ人を選ぶ60%キーボードなので、使い慣れている配列を選んだ方が良い。

 なお、先述の通り、Huntsman Miniの日本語配列モデルのキートップにはかなの表記がない。「ローマ字入力をする日本語配列ユーザー」を想定した仕様なので、かな入力派の人は気を付けたい。

キーライティングを変えてみる

 キーボードのライティングは、先述の通りRazer Synapse 3で変えられる。ウインドウの「キーボード」タブの「ライティング」を選ぶと、下方に効果を決定するメニューが出てくるので、こちらから「ウェーブ」や「スペクトラムサイクリング」などの効果を選べばすぐに反映させられる。

 「高度な効果」を選ぶと、ライティング効果をカスタマイズできる「Chroma Studio」が起動する。1つ1つのキーの光らせ方を変えたり、色の変化パターンを編集したりできる他、用意されている効果をレイヤーのように指定して、重ねがけすることも可能だ。

 なおRazer Synapse 3で設定したライティングは、プロファイルとして保存できる。「Razer ID」を登録しておけば、他のPCに接続して使う場合でも、Razer Synapse 3をインストールすればその設定を利用できる。

 Huntsman Miniの場合、日本語キーボードと英語キーボードでプロファイルは別々に保存可能だ。ただし、プロファイルはキー配列単位となり、本体カラーやキースイッチのタイプまでは区別されない。これは言い換えれば、同じ配列なら、BlackでもMercuryでも、ClickyスイッチでもLinearスイッチでもプロファイルを共有できるということになる。


Razer Synapse 3でライティングをカスタマイズ

Chroma Studioで光り方を細かく調整

省スペースなキーボードを選ぶならこれで決まり!

 Razer Huntsman Miniは小型なキーボードなので、スペースに余裕のない場所での利用はもちろん、持ち運んで使うこともできる。USBケーブルは脱着式なので、キーボードにケーブルを巻き付けることなく収納可能だ。

 操作に慣れは必要なものの、この小型感をひとたび手に入れたら手放せない。実売価格も1万4880円程度(税別)と、この手のキーボードとしては手頃だ。

 コンパクトなキーボードを求めているのなら、Razer Huntsman Miniはベストチョイスの1台になるだろう。

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