レビュー

小型だけどパワフル! 片手で持てる第11世代Core搭載のIntel NUCを試す(4/4 ページ)

超小型PCとしておなじみのIntel NUCに、第11世代Coreを備えたモデルが登場した。「Intel NUC 11」(開発コード名:Panther Canyon)の実力をチェックしてみた。

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 STREET FIGHTER Vベンチマーク(60fpsの上限を外して計測)では、フルHD時で画面品質「中」が87.24fpsで、これ以上の設定では60fpsを割り込んだ。また、HD時(1280×720ピクセル)では「最高」まで引き上げても77.81fpsが得られている。VSYNCを有効に戻した際、常に60fpsをキープできるのはこのあたりの設定だ。


STREET FIGHTER Vベンチマークの結果(フルHD、中設定)

STREET FIGHTER Vベンチマークの結果(HD、最高設定)

 ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークは、フルHDの場合、標準品質(デスクトップPC)で5337ポイントの「とても快適」評価を得た。1つ上の高品質(デスクトップPC)も「快適」評価なのだが、平均フレームレートは24.03723fpsだったので、いわゆるTVのフレームレート相当でありPCディスプレイではややひっかかりを感じる。一方、HD時なら最高品質でも6536ポイントの「とても快適」評価なのでこの選択もよいだろう。


ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(フルHD、標準品質:デスクトップPC)

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(HD、最高品質)

 HandBrake 1.3.3で4K/60p→フルHD/30p x.265変換を行った際のフレームレートは、CPU処理時が34.55fps、Quick Sync Video利用時が39.66fpsだった。なお、シングルチャネル時はそれぞれ32.88fps、36.51fpsなので、このような用途でもデュアルチャネル構成が性能を引き出す鍵と言えそうだ。

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温度管理も問題なし! ホーム/ビジネス/教育用途で役立つNUC

 ベンチマークテストの結果が示す通り、CPU性能だけでなく、GPU性能も大幅に向上している。GPUの性能アップは、PCMark 10が示すようにゲーム以外の分野でも効いてくるため、システムとしての快適さは従来製品以上だ。これまでにもNUCを活用してきた人は、比較的大きなアップデートなので買い換えの候補として検討してみるのもよい。そしてノートPCではなく省スペースかつ高性能のデスクトップPCを求める人、在宅勤務などのニーズでもNUCを試してみるのは大いにアリだろう。

 最後に、CINEBENCH R23のMulti-Coreテスト時の温度推移を紹介したい(HWiNFO64でログを取得)。CPU温度はベンチマークの開始から80度付く近まで急上昇し、そこからはなだらかに最大96度まで到達した。クロック側のグラフにあるように、そのタイミングで動作クロックが3.5GHz前後に抑えられるようだ(とはいえ十分に高めのクロックと言える)。

 クロックが引き下げられたことによって、CPU温度もそれ以降は75~90度前後にシフトした。なお、96度というのは高い数値に見えるが、Core i7-1165G7のTjunctionは100度なので許容の範囲内だ。そしてログを見る限り、サーマルスロットリングも生じていなかった。

 とはいうものの、ベンチマークのように負荷率が100%近い際の動作音はかなり大きい。NUCのようなミニPCでは小型のファンを1基しか搭載できないためだ。ボディーの左右にファンを備えたり、1基あたりの回転数を落としたりすることも可能なノートPCの方が静かということも多いだろう。負荷が高いシーンであってもそれが長時間でなければ、先の通り高クロック動作で快適な性能なので、Intelがいうところのホーム、ビジネス、教育といった用途なら比較的静かな動作音内で快適な性能を得られる。

 このような使い方のポイントを押さえれば、NUCはコンパクトで場所をとらず、優れた性能が得られる選択肢と言える。そしてQクラスはワイヤレス充電パッドを備えたことにより、スマートフォンなどを常に充電しておくことも可能で、ビジネスシーンでは特に活躍してくれることだろう。

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