PCがクラッシュ! 締め切りが目前に迫ったときにあなたはどうする?【前編】(3/3 ページ)
PCは突然に壊れる。それは予想もしなかったときに、切羽詰まった土壇場で発生する。そのとき、あなたはどうする?
ローカルがだめならクラウドがある!
「ああ、こんなことなら逐一、クラウドサービスに保存しておけば良かったなあ……」
と頭を抱える。
だがその時、ふと思い出した。
8月にLAVIEを買って起動した際に、最初から製品に付属していたMicrosoft Office Home & Businessに含まれるクラウドサービスであるOneDriveに入っていたのだ。
その時は、
「ちぇっ。最初からサービスに加入させやがって!! 後で退会しよう」
と思ったのだが、結局そのままにしてあった。急ぎ足で帰宅して、予備のノートPCを開く。
早速、OneDriveにアクセスしてみると、何と作画データが残っていた!
それは、HDDが壊れる数分前のデータだった。またそれ以外にも壊れたPCで作業したデータがそのまま残っていた。予期せぬ思わぬ幸運に、
「おっしゃあっっ!!」
と1人でガッツポーズをしてしまった。
真っ先にノートPCに液晶タブレットを接続して、作業を再開した。
ちなみにノートPCは2020年に購入したNECパーソナルコンピュータの再生品だ。少々ジャンク感があるものの、メモリ容量が8GBと僕が漫画を描くのには十分に使える。そもそも、外出先で漫画を描くために買ったノートPCだ。
データ復旧会社からの返事と仲間の助け
そんなこんなで、問題なく漫画を描くことができて締め切りにも間に合った。
ホッと気が抜けたが、そこでハッと思い出す。データが復旧できたら11万5500円もかかってしまうのだ。この期におよんで、
「クラウドにデータ残っていたので、もう大丈夫です」
とは言えない。
「どうか、データ復旧できませんように!!」
と神様にお祈りする。何だかおかしなことになってきた。そして、1月18日に運命の電話がかかってきた。
「データ復旧を試みたのですが、フォルダーは何とか再現はできたものの、それ以外のデータは一切復旧できませんでした。ですのでお金はかかりません。大変申し訳ありません」
と、非常に申し訳なさそうに言われた。
もちろん、こちらは願ったりかなったりで、再び
「おっしゃあっっ!!」
と叫びたいところだが、ぐっとこらえて
「そうですか……残念です……」
と悲しそうに答えた。
結果的に、運搬や対応などにかかった時間とその間の精神的な焦りを除けば、大きな損失は出なかった。
しかし、8月に購入した15万円の新品のPC(正確にはHDD)が、5カ月後の1月に再起不能なほど壊れるってどういうこと? という話だ。機械は必ず壊れるし、特にHDDはしばしば壊れる。それまでの使い方や運不運といった要素もあるだろう。
もちろん、故障したLAVIEを修理に出すことはできるが、残念ながら今後このPCを信じて作業を続けられる気がしない。
「ガッツリと浮気した相手を、今までのように愛し続けることができるか?」
みたいな話である(個人の感想です)。
ここは散財になるけれど、新しいPCを購入した方がいいのだろうか?
そこで、PC回りの事情に詳しいライターの古田雄介さんにメールで相談をしてみた。すると
「だったら、漫画を描くのに最適化したPCを秋葉原で作ってもらいましょう。そのいきさつを原稿にすれば、少しは元を取れますよ」
と的確なアドバイスをもらえた。
なるほど、こんなに苦労したのだから、原稿くらいにはしたい!!
というわけで、古田さんと秋葉原の『パソコン工房秋葉原BUYMORE店』に出かけることになった。
後編へ続く。
関連記事
PCがクラッシュ! 専門家お勧めの新型PCとNASで快適な環境を手に入れる【後編】
PCは突然に壊れる。それは予想もしなかったときに、切羽詰まった土壇場で発生する。そのとき、あなたはどうする? パソコン工房秋葉原BUY MORE店の協力により、仕事の環境が生まれ変わったいきさつをお話ししよう。アイ・オー、「データ復旧サービス」のサービス内容を拡大 リモート復旧サービスなどを利用可能に
アイ・オー・データ機器は、同社が提供する「データ復旧サービス」のサービス内容拡大を発表した。エレコム、ケーブル一体型ポータブルSSDに「データ復旧サービスLite」付きモデルを追加
エレコムは、ケーブル一体型筐体を採用したUSB外付けポータブルSSD「ESD-EC」シリーズ新モデルの販売を開始する。アドバンスデザインがデータ復旧サービスを定額2万円で実施するキャンペーンを実施中
アドバンスデザインが、定額費用でデータ復旧サービスを利用できる「パソコン突然障害お助け復旧キャンペーン」を実施している。そのSSDやSDメモリーカードは大丈夫?――データ復旧会社から見る容量偽装の今
容量を偽る“詐欺ストレージ”は、昔からちょくちょく物議を醸してきた。現在も根絶されていないどころか、バリエーションが増えてきているようだ。データ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」に届いた容量偽装ストレージから、今を読み解く。コロナ禍はデジタル終活にどう作用するのか――「第4回 デジタル遺品を考えるシンポジウム」レポート
もし自分が突然この世から去った場合、スマートフォンやタブレット、PCの中身はどうなるのか。残された人たちはどうすればいいのか。今何ができるのか、何をしなければならないのかを考えるシンポジウムがオンラインで開かれた。その模様を振り返る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.