神棚職人が本気で作った「推し壇」はなぜ受け入れられた? はせがわに聞く“宗教×推し活”の親和性:古田雄介のデステック探訪(1/3 ページ)
仏壇や神棚の販売で一世紀の歴史があるはせがわは、推しグッズを祭るための飾り棚「推し壇(おしだん)」も手がけている。一見ギョッとする取り組みだが、2023年10月の発売から安定した支持を得ているという。これもまたデステックだ。
神棚職人が手がけた推しをまつる祭るステージ
推しキャラやアイドルのアクスタなどを祭るステージとして、さまざまな界隈(かいわい)で定着しているアイテムがある。仏壇仏具や墓石を販売するはせがわ(本社:福岡/東京)の「推し壇」(おしだん)だ。2023年10月の販売開始以来、徳川美術館などとコラボしたり、人気アニメで類似グッズが登場したりと、たびたび話題になっている。
本物の神棚と同じ素材と技法を用いて、国産のヒノキ材で仕上げており、神棚を壁掛けするための壁掛け棚を併用すれば、部屋の一番高い場所に設置できる。壁掛け棚の耐荷重は約14kgで、推し壇の屋根の高さは約21cm〜30cmの範囲で4段階に調整可能だ。
付属のLEDテープを走らせれば、推しのイメージカラーで舞台を染めたり、点滅やグラデーションといったライティング効果を楽しめたりする。
価格は同社のオンラインストアで9900円(別売オプションの壁掛け棚は5500円)。オンラインストアに加え、同社の一部ショップやECサイトでも取り扱っている。
この推し壇だが、仏壇仏具の専門店からリリースされた商品としては明らかに異質だ。扱い方を誤ればジョークグッズとみなされるリスクがあり、不謹慎とのそしりも受けかねない。現在のように定着させるには、絶妙なバランス感覚が必要だったのではないだろうか。
そしてそのバランス感覚は、追悼や死後の備えといったデリケートな目的と最新テクノロジーを掛け合わせるデステック産業全般に有用である可能性が高い。内実を同社に尋ねた。
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