Apple M1搭載iMacはStay Home時間を快適にする最強のアイテム(1/5 ページ)
待望のApple M1を搭載した24インチiMac(23.5型)が、いよいよ発売となる。液晶一体型デスクトップPCの立ち位置を、がらりと変える可能性を秘めた新モデルについて、林信行氏が試した。
コロナ禍が続き、Stay Home時間の質の向上がまさに見直されている。プチリフォームをしたり、部屋にアートを飾ったり、インテリアに凝ったりする人が増えているが、お家時間の質をもっと本質的に変えてくれるのはパソコン(PC)の見直しかもしれない。
PCは、今やデスクワークだけでなく会議にも、ソーシャルなコミュニケーションにも、趣味にも、そして映像鑑賞にも使う不可欠な道具だ。裏を返せばPCを快適にすれば、これら全ての質が一気に向上することになる。
5月に発売となるM1プロセッサ搭載の最新iMacを数日間試してみて、改めてそう思った。
あふれる“パソコン”の楽しさを思い出させる演出
まず製品パッケージを開ける。画面のあたりに手書き文字で「hello」と書かれているのが薄い保護カバー越しに透けて見える。思わず、笑みが浮かぶ。
iMacは1998年の初代製品から、PCの世界に楽しさをもたらす存在だった。
まだデスクトップPCが主流だった時代。ほとんどの製品は「安さ」か「速さ」で勝負するベージュ色のさえない事務機然とした箱だった。しかし、突如、発表された初代iMacはカラフルで見ているだけでも楽しさを感じさせた。
そして、その美しさを通してPCは本来、楽しいもので、リビングルームなど家の目立つ場所において家族みんなを幸せにしてくれるものだと再認識させてくれた。
最近の液晶iMacは、巨大な画面を備えても部屋のインテリアに調和するように、シンプルでミニマルな見た目だった。
初めてAppleシリコンを搭載した今回の製品はiMacのターニングポイントとなる製品だ。その製品で、Appleは改めて昔の楽しさに原点回帰している。
コロナ禍という世界情勢も大きく関わっているのだろう。今回用意された7色のカラーバリエーションを紹介する際、Appleは「楽しさ(楽観性)」を重視した色だと強調している。
家に1台置くだけで、まるで花を飾ったように部屋に明るさが生まれる。まさに、そんなたたずまいだ。
新型iMacのCPUはM1プロセッサだ。最近、発表されたMacBook Pro、MacBook Air、Mac miniやiPad Proと同じで、性能も大差がないことはGeekbenchで確認した(スコアはMacBook Proと比べて3~5%速かったが)。
これまでのiMacと比べると、あらゆる動作が数倍単位で速い。アプリは一瞬で起動し、ほとんどの作業が快適にこなせる。負荷の大きい4K品質のビデオ編集でも5本をコマ落ちさせずに同時に再生できる。1本だけだが8K品質の映像もコマ落ちなしで再生できる。
これで十分ではないか。それでも、わずかな性能の誤差の詳細が気になる人は、他のレビュー記事を参照してほしい。
それよりも本製品で大事なのは、製品としての体験の方だ。製品のたたずまいであったり、巨大ディスプレイの表示品質であったり、そして音の良さ、Stay Homeで重要さが増したカメラ性能だ。これまでのiMacと比べて○倍といった定量の比較は難しいが、新型iMacはStay Home時間の質を確実に向上させてくれる。
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