IE11がついに2022年6月15日で終了へ 日本でのシェアは?:Windowsフロントライン(2/3 ページ)
ついにInternet Explore 11のサポート終了日程が明らかにされた。その意味と今後の影響、日本におけるブラウザシェアから見えてきたことを考える。
Windows 10の各バージョンには「WaaS(Windows as a Service)」の概念にのっとってサポート終了時期が決められているが、Windows 10 Home/Proのバージョン別サポートライフサイクルのページを参照すると、20H2のサポート終了は「2022年5月10日」とIE11のリタイアの時期より早い。
ただし、SACにおいてWindows 10 Enterprise/Educationの特定バージョンについては、通常の18カ月というサポート期間の枠を超えて「最大30カ月」のサポートが適用されるケースがあり、今回のケースでいえば20H2がそれに該当する。
この場合、Windows 10 Enterprise/Educationのバージョン別のサポートライフサイクルページによれば、20H2のサポート終了は21H1よりも長い「2023年5月9日」となり、IE11のサポート終了よりも長くなる。
つまり、これらバージョンを利用する企業や組織のユーザーは、IE11終了を前に1年間の猶予期間をもって移行対策をしっかり練る必要があることを意味する。
IEはまだどれだけ使われているのか?
Microsoftが重い腰を上げてようやく決断したIE11のサポート終了だが、ある程度の目算あっての動きだったのだと思う。長期サポートを約束するLTSCやレガシーなアプリケーションの動作が中心のWindows 8.1/7 ESUを除けば、あとは企業内でどれだけIE依存のアプリケーションがWindows 10のような最新プラットフォームで動作しているかによる。
EdgeのIE modeは実質的にイントラネット専用であり、基本的にインターネットをまたいだアクセスでは動作しない。だがMicrosoftがこれまでIE11のサポートにちゅうちょしていたのは、それでもなお、社内外問わず(Windows 10のデフォルトブラウザではない)IE11でアクセスしているユーザーが存在し、かつIEでないと利用できないアプリケーションが存在していることの証左になる。
社内インフラに限らず、インターネットの世界においても比較的最近までIE専用サイトと呼べるサービスは存在した。代表的なものは国税庁のe-Taxシステムで、2019年(令和元年度)まではWindows 10においてIE11のサポートのみにとどまっており、これ以降にようやくEdgeなど各種ブラウザ対応が追加され始めた状態だ。
1つ興味深いのは、冒頭で紹介したIE11のサポート終了を伝える「The future of Internet Explorer on Windows 10 is in Microsoft Edge」のBlogにおいて、なぜか日本語版と韓国語版の2言語だけ翻訳記事が用意されている点だ。
想像に難くないが、「ひょっとして日本と韓国だけIEユーザーが極端に多いの?」という状況が伝わってくる。そこで、StatCounterを通じてこのあたりの状況を少し調べてみた。
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