Chromebookのシェアが急増 大型電子黒板のリプレース需要も――「EDIX 東京 2021」の注目展示をチェック!(前編)(1/3 ページ)
毎年開催される大規模な教育関連展示会の集合体「EDIX東京」。2021年もさまざまな教育向けの機器、サービスやソリューションも展示されていた。この記事では、教育用端末や電子黒板、それにまつわる展示を紹介する。
5月12日から14日にかけて、東京ビッグサイト(東京都港区)で教育に関する総合展示会「EDIX東京」が開催された。
EDIX東京は、教育に関するさまざまな製品やサービスの展示会の集合体だ。2021年は「教育ITソリューションEXPO」「学校施設・サービスEXPO」「保育・幼稚園ICT化EXPO」「STEAM教育EXPO」の4つの展示会から構成されていた。
学校などの教育機関を対象にした製品やサービスの展示も多いが、この記事ではSTEAM教育EXPOと教育ITソリューションEXPOの展示から、学習用端末(PC)や電子黒板に関するものをピックアップして紹介する。
新型コロナウイルス感染症の拡大と、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発出されていたこともあり、会場展示を見合わせる企業や団体も見受けられた。来場者も、筆者の見る限りは例年と比べると少なめだった
教育市場で存在感を増すChromebook
まず、児童/生徒や教師用のICT端末関連にまつわる展示から見ていこう。大手PCベンダーであるレノボ・ジャパンやDynabook、デル・テクノロジーズなどは、教育市場向けのPCやChromebookを展示していた。
レノボ・ジャパンブース
レノボ・ジャパンでは「GIGAスクール構想」を想定した学習用端末に加えて、3D CADや各種シミュレーションなど、実習で負荷の高い作業を行う高等専門学校(高専)の生徒向け端末として、高性能なGPUを搭載したワークステーションも出展していた。
「スマート高専」と銘打って、高専の授業(講義や実習)で使うことを想定したPCやワークステーションが複数展示されていた。写真は液晶ディスプレイ一体型の「ThinkCentre Tiny-in-One 27」
一般的な学習用端末について、ある担当者に話を聞いた所、GIGAスクール構想が提唱された当初はWindows端末の導入が多かったが、2020年はChromebookの割合が増え、導入シェアベースでは完全にWindows端末を逆転したとのことだ。他のPCベンダーの担当者も同じようなことを言っていたが、Chromebookの管理のしやすさや、Windowsよりも軽快な動作が評価された結果だと思われる。
また、最近はPCレスでリモート授業やWeb会議に参加するためのソリューションへの引き合いも強いという。それを受けてか、Web会議用端末も展示されていた。
教員が校務で使うためのノートPCも複数展示されていた。左は2in1タイプの「ThinkPad L13 Yoga Gen 2」、右はクラムシェルタイプのThinkPad L13 Gen 2で、ThinkPadの中では比較的手頃な価格のモデルである
リモート授業やPC教室用のソリューションとして、Zoomの配信に特化した端末「ThinkSmart Hub for Zoom Rooms」も展示されていた。この端末には、Microsoft Teamsの配信に特化したモデル(ThinkSmart Hub for Microsoft Teams Rooms)もある
教育用端末はWindows PCとChromebookの両方が展示されていた。写真は「ThinkPad C13 Yoga Chromebook」で、スペックの高めなChromebookが必要な場合の選択肢、あるいは教員用端末の1つとして展示されていた
教育機関向けのクラウドサービスを始めとするソリューションの展示も多数あった。NTTコミュニケーションズのクラウドサービス「まなびポケット」は、同社とレノボが共同展開する「GIGAスクールパック」にも含まれる
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