レビュー

有機ELの2in1 PCで実売10万円切り! 「Vivobook 13 Slate OLED」を試す(3/4 ページ)

ASUS JAPANが発売した2in1 PC「Vivobook 13 Slate OLED」は、有機ELディスプレイを採用しながら税込み10万円を切る注目のモデルだ。実際の使い勝手はどうなのか、下位モデルをチェックした。

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ベンチマークテストで性能をチェック

 ここからは、パフォーマンス面をベンチマークで見ていこう。なお、OSはWindows 11 Home(Sモード)だが、テストに当たってWindows 11 Homeに切り替えている。

 まずCINEBENCH R23では、CPU(Multi Core)が1247、CPU(Single Core)が622といったスコアだ。現行のモバイル用Coreプロセッサでは4コア8スレッドモデルで5500/1300ポイント前後になる。それに比べるとマルチコアで4分の1、シングルコアで2分の1あたりの値だ。こうした点から、Vivobook 13 Slate OLEDはコンテンツをよりキレイなパネルで閲覧する用途では問題ないが、逆に写真や動画の補正/編集といったコンテンツを作る作業では力不足を感じることになる。


CINEBENCH R23のテスト結果

 3DMarkはFire Strikeが1042、さらに軽量のWild Lifeで2826といったスコアだ。ゲームに関しては2Dグラフィックス中心で、3Dはごく軽量なタイトルが中心となる。3Dゲームでは、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトとWorld of Tanks enCoreを試してみた。

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 ドラゴンクエストX ベンチマークソフトに関しては1920×1080ピクセル、低品質で「快適」評価、World of Tanks enCoreでは画質最低ならば「素晴らしい結果」、中画質に引き上げると「良好な結果」だった。


3DMark/FireStrikeのスコア

3DMark/Wild Lifeのスコア

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト(低品質)

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト(標準品質)

World of Tanks enCore(画質最低)

World of Tanks enCore(画質中)

 PCMark 10 StandardのOverallは2579だ。Essentialsは5590とまずまずよいが、Productivityは3667とやや厳しくなり、Digital Content Creationは2271と低いスコアだった。つまりホーム用途(閲覧中心)が最も適しており、ビジネス用途(文書作成など)では一般的なノートPCと比べると動作が重く、コンテンツ制作となると明らかに重荷と言える。


PCMark 10 Standardテスト

PCMark 10のバッテリーテスト、Modern Officeシナリオ。画面輝度は最大、電源はバランスで計測して7時間4分だった。通常のモバイル運用では何ら問題ない値だ

 今回の評価機は、ストレージにeMMCを装備している。性能的にはSDメモリカードに近く、いわゆるSSDと比べると遅い。特にランダムアクセスが遅いため、ここは体感に関わってくる。もちろんHDDと比べれば速く、我慢できないほど遅くはないのだが、ショートカットキーを使ってサッとエクスプローラを開きたい際、エクスプローラでアイコン表示のサイズを切り替えた場合などにラグを感じる。

 上位モデルは同じCPUでもM.2 NVMe SSDを採用しており、そちらの方が速いだろう。予算に限りがある、できるだけ安くすませたいなど理由がなければ、上位モデルの方がより満足感を得られるはずだ。


CrystalDiskMark 8.0.4で計測したCドライブ(eMMC)の転送速度。SSDに比べると数字は遅い

 PCでありながら閲覧中心の用途になると思われるが、Atom系CPUを搭載したWindowsタブレットはそうしたものであったし、非Windowsタブレットも同様だ。その上でWindowsのメリットとして、多彩なフォーマットに対応できる点や、データの保存の柔軟性(ローカルやクラウド、NASなど自由に選べ、その設定に都度アプリを追加していく必要もない)が挙げられる。

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