JEDECが「HBM3」の仕様書を公開 転送速度は毎秒819GBに
メモリの規格を策定する業界団体であるJEDECは1月27日(米国東部時間)、次世代のメモリである「HBM3(High Bandwidth Memory 3)」の仕様書を公開した。
メモリの規格を策定する業界団体であるJEDECは1月27日(米国東部時間)、次世代のメモリである「HBM3(High Bandwidth Memory 3)」の仕様書(JESD238)を公開した。HBMは広帯域、低消費電力で、実装面積が狭いところでも比較的大容量を確保できることから、GPUやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)での使用例が多い。またIntelは、次世代Xeonである「Sapphire Rapids」のラインアップに、HBMを内蔵した製品を用意する予定となっている。
HBM3では、データ転送速度を1ピン当たり毎秒6.4Gbpsに引き上げた。これはHBM2の2倍に当たる。この結果、メモリデバイスごとのデータ転送速度は毎秒819GBまで上がった。チャネル数もHBM2の8チャネルから倍の16チャネルに引き上げた。1チャネルを2本の疑似チャネルとして扱えるため、合計で32の疑似チャネルを使える。
HBMの特徴であるTSV(Through Silicon Via:シリコン貫通電極)を利用した積層メモリについては、4層、8層、12層に対応し、将来は16層まで対応する。1層当たりのメモリ容量は8Gbitから32Gbitまで対応。メモリデバイスごとの容量は4GB(8Gbitを4層)から64GB(32Gbitを16層)まで実現できる。
エンタープライズ用途で使用する企業から要望が多い、RAS(Reliability、Availability、Serviceability:信頼性、可用性、保守性)も強化した。「Symbol-Based ECC」という誤り訂正符号の機構をダイ上に実装した他、リアルタイムのエラーレポート機構も搭載した。消費電力の削減も進め、信号の振幅を小さくし(0.4V)、1.1Vで動作する。
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