ニュース
IntelがTower Semiconductorを総額54億ドルで買収 アナログ半導体の生産拠点を入手
米Intelは、イスラエルのファウンドリ企業Tower Semiconductorを買収すると発表した。買収価格は1株当たり53ドル。総額54億ドル(約6250億円)になる。
米Intelは2月15日(現地時間)、イスラエルのファウンドリ企業Tower Semiconductorを買収すると発表した。買収価格は1株当たり53ドルで総額54億ドル(約6250億円)になる。両社の取締役会はこの買収を支持しており、規制当局の認可が降り次第買収となる。Intelは買収完了まで12カ月と見込んでいる。
Intelは自社の半導体製造設備を活用して半導体受託製造に乗り出すため、2021年3月にIntel Foundry Services(IFS)を設立した他、既存の生産拠点を強化し、米オハイオ州に最先端の大規模半導体工場を2件建設する計画を発表するなど、生産能力の拡大を急ピッチで進めている。
一方でTower Semiconductorは、Intelが現時点で手掛けていない、高周波(RF)、パワー、シリコンゲルマニウム(SiGe)、産業用センサーなど、アナログ半導体のファウンドリとして世界でも大きなシェアを握っている。米テキサス州やイスラエル、イタリア、日本などに生産拠点を持ち、年間200万枚以上のウェハを生産する能力を有している。
advertisement
Intelは、Tower Semiconductorの技術や生産拠点が、IFSのそれを補完するとしており、買収と統合によって、1000億ドル規模のファウンドリ市場で優位に立てると考えている。
関連記事
Intelがファウンドリ事業のイノベーション促進に向けて10億ドルの基金を設立 RISC-V団体にも加盟
米Intelは、自社で運営するファウンドリ事業のイノベーション促進に向けて10億ドル(約1150億円)の基金を設立すると発表した。Intelがオハイオ州に最先端の大規模半導体工場を建設へ 200億ドル超を投資
米Intelは1月21日(米国東部時間)、オハイオ州に最先端の大規模半導体工場を2棟建設する計画を発表した。合わせて、建設のために200億ドル(約2兆2800億円)、地域人材育成のために地元の教育機関に1億ドル(約114億円)を投資することも明らかにした。2025年までに「1.8nm相当」に――Intelが半導体生産のロードマップを説明
Intelが半導体生産のロードマップを説明するイベントを開催した。2022年には7nmプロセスの製品が、2024年には新技術を取り入れた製品が登場する見通しだ。Intelの半導体生産を支える日本 しかし「デジタル後進国」に?
半導体で出遅れていると言われる日本。しかし、半導体生産に日本企業は欠かせない。でも、デジタル分野の競争力は低下の一途をたどっている。インテルは、この課題にどう立ち向かうのだろうか。半導体生産で「委託」「受託」を両にらみ Intelが「IDM 2.0」構想を発表
Intelが、新しい半導体生産方針「IDM 2.0」を発表した。自社生産を基本とする方針は堅持しつつ、ファウンドリーを活用した製品生産を拡大し、自らがファウンドリーとして生産を受託する事業も開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.