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第12世代Core i9プロセッサ搭載の「Intel NUC 12 Extreme」はどこが進化したのか(後編)(1/3 ページ)

Intelの新型「NUC」となる「Intel NUC 12 Extreme Kit」が発表された。前編に続き、後編ではメモリやストレージ、グラフィックスカードにOSを追加してベンチマークテストを行った。

 Intelが手がける小型PC「Intel NUC」(Next Unit of Computing)に、Dragon Canyonの開発コード名を持つ「Intel NUC 12 Extreme」が追加された。

 前編では、従来の「Intel NUC 11 Extreme Kit」(Beast Canyon)から何が変わったのか、強化されたのかを見てきたが、後編ではベンチマークテストを実施して本製品の性能を確認する。


最新の第12世代Coreプロセッサを搭載した「Intel NUC 12 Extreme Kit」

第12世代Core搭載のIntel NUCキットが登場

 改めてIntel NUC 12 Extremeのスペックを見ていくと、ボディーサイズは約120(幅)×357(奥行き)×189(高さ)mmで容積は約8.1L、重量は約4.65kgとなる。CPUはあらかじめカード型のモジュールユニット「Compute Element」に取り付けられており、ここにメモリやストレージ、OSを導入する。

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 グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel UHD Graphics 770を使えばこの状態でもPCとして利用できるが、PCIe 5.0 x16対応のPCI Expressスロットが1基用意されており、ここに最長約30.48cm(12インチ)までのグラフィックスカードを装着可能だ。

 Intel NUC 12 Extremeには搭載CPUが異なる2モデルがあり、主なスペックは下記の通りだ。

Intel NUC 12 Extremeの主なスペック
型番 NUC12EDBi9 NUC12EDBi7
CPU Core i9-12900(Pコア8基+Eコア8基24スレッド、最大5.1GHz) Core i7-12700(Pコア8基+Eコア4基20スレッド、最大4.9GHz)
3次キャッシュ 30MB 25MB
PBP 65W
GPU Intel UHD Graphics 770(CPU内蔵)
チップセット Intel Z690
メモリスロット DDR4-3200 SO-DIMM×2(最大64GB/1.2V)
拡張スロット PCIe 5.0 x16接続×1(最長約30.48cmまで装着可能)
M.2スロット M.2スロット×3(PCIe 4.0 x4×3、うち1基はCPU直結、残り2基はPCIe 4.0 x4/SATA両対応)
無線通信 Wi-Fi 6E/Bluetooth 5.2(Intel AX211)
インタフェース HDMI 2.0b×1、Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×7、10Gigabit Ethernet×1、2.5Gigabit Ethernet×1、SDメモリーカードリーダー(UHS-II SDXC)、3.5mmヘッドホン/マイクコンボジャック
本体サイズ 約120(幅)×357(奥行き)×189(高さ)mm
重量 約4.65kg(メモリ/ストレージ/グラフィックスカードを除く)
付属品 電源ケーブル、簡易マニュアル
カラー ブラック
OS -(Windows/Windows Server 2019/Linux対応)
価格 1450ドル 1150ドル

 評価機には、GeForce RTX 3060搭載のASUS JAPAN「DUAL-RTX3060-O12G」のグラフィックスカードが装着されていた。カード長が約20cmのコンパクトなタイプで、グラフィックスメモリは12GBを備え、HDMI 2.1×1とDisplayPort 1.4a×3の出力端子がある。補助電源端子は8ピン×1で、GPUの温度が50度以下になるとファンがストップするなど静音性にも配慮されている。


評価機に装着されていたASUS JAPANの「DUAL-RTX3060-O12G」。GeForce RTX 3060と12GBのグラフィックスメモリを搭載したグラフィックスカードで、カード長が約20cmと短く、GPUの温度が50度以下になるとファンがストップするなど静音性にも配慮されている

左側面のカバーを外したところ

 今回はCPUにCore i9-12900(Pコア8基+Eコア8基24スレッド、最大5.1GHz)を搭載した「NUC12EDBi9」に、16GBのメモリ(8GB×2/DDR4-2400)と1TBのM.2 SSD(PCI Express 4.0 x4)を追加し、OSにWindows 11 Proをインストールした状態でテストを行った。

 なお、電力リミットについては初期設定(PL1:65W/PL2:221W/Tau:28秒)のままで、電源プランもバランスにして行った。グラフィックスドライバのバージョンは、Game Ready Driver 511.79(30.0.15.1179)だ。


CPU-Zの画面

GPU-Zの画面(GeForce RTX 3060)

こちらはCPU内蔵のIntel UHD Graphics 770だ

 続いて、ベンチマークテストの結果を見ていこう。

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