思わず“悔しい”と声が出る――旧モデルユーザー視点の「LAVIE NEXTREME Carbon」レビュー(2/2 ページ)
NECパーソナルコンピュータが、新たなフラグシップノートPC「LAVIE NEXTREME Carbon」をリリースした。このノートPCは「LAVIE Pro Mobile」からどのように進化したのだろうか。現役のLAVIE Pro Mobileユーザーでもある筆者がチェックしていく。
ストレージのスピードテストで「WOW!」
NEXTREME Carbonがスペック上「速そう」ということは分かった。では、実際のパフォーマンスどうなのだろうか。時間の都合から、今回はストレージの読み書き速度を筆者のPro Mobileと比べてみることにしよう。計測には「CrystalDiskMark 8.0.4」(ひよひよ作)を使うことにする。
ちなみに、筆者のPro Mobileの主要なスペックは以下の通りである。
- CPU:Core i5-8265U(1.6GHz~3.9GHz、4コア8スレッド)
- メインメモリ:8GB(LPDDR3規格)
- ストレージ:256GB SSD
5回計測した平均値は以下の通りとなった。
- シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)
- Pro Mobile:毎秒3169.3MB
- NEXTREME Carbon:毎秒6702.6MB
- シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)
- Pro Mobile:毎秒1372.5MB
- NEXTREME Carbon:毎秒4709.6MB
Pro Mobileの2倍以上の読み書きパフォーマンスを備えていることが分かった。もちろん、そもそもの中身が違う(借りたものは最上位構成、筆者のマシンはミドルモデル)というのもあるが、これほどまで違うとは……。
使い勝手のレベルの高さは「オーセンティック」
さて、筆者はモバイルディスプレイをこよなく愛するモバイラーでもある。自宅にいても、ほとんどデスクトップタイプのサブモニターが設置されている仕事部屋ではなく、小さなPCデスクにノートPCとモバイルディスプレイを載せて作業をするほどだ。
しかし、Pro MobileのUSB Type-C端子は映像出力に対応しないため、HDMI出力端子を使わないとモバイルディスプレイに映像を出力できない。電源供給のためにUSBケーブルをつなぎ、映像出力のためにHDMIケーブルをつなぎ……となるため、若干面倒だ。故に、最近はUSB Type-Cケーブル1本で接続できる「MacBook Pro」を愛用している。
それに対して、NEXTREME CarbonはThunderbolt 4端子から映像を出力できる。Windowsの使い勝手の良さを生かしつつ、USB Type-Cケーブル1本でモバイルディスプレイに出力できるのだ。やはり、楽なのはいい。
WindowsノートPCで“あこがれの”ケーブル1本つなぎ。厳密にはPro Mobileの2020年モデルから対応しているのだが、筆者の2019年モデルでは非対応だった。これだけで興奮する筆者なのであった
キーボードがどのくらい打ちやすくなったのか、Webブラウザからタイピング練習ができる「e-typing」で試してみることにした。
すると、予想外にあまり変わらない結果となった。Pro Mobileのキーボードには慣れている一方でNEXTREME Carbonのそれには慣れていないことと、緊張していることが原因かもしれない。
いずれにしても、初めて使っていることを考えると、まずまずの成績なのではないかとは思う。
キーボードという観点では、新たに「Fn Lock機能」が搭載されている。NEXTREME Carbonのファンクションキーは、標準ではキートップに刻印されている機能(ミュート、ボリュームなど)が有効化されている。通常、ファンクションキー“本来”の機能(F1~F12キー)を使いたい場合はFnキーを押さえながらこれらのキーを押さないといけないのだが、Fnキーを押さえながらEscキーを押すとファンクションキーの機能が優先されるようになる。同じ操作を繰り返すと、優先される機能を随時切り替えられる。
日本語入力などでファンクションキーを多用する場合は、Fn Lockを有効化すると便利だ。一方で、ファンクションキーを全然使わないという人は、Fn Lockを無効化して機能キーとして使えば利便性が高まる。わざわざ設定画面を開かなくとも、素早く切り替えられるのはありがたい。
液晶ディスプレイの表示色数は、Pro MobileもNEXTREME Carbonも最大約1677万色で変わらない……はずなのだが、パッと見でもNEXTREME Carbonの方が発色が良い。家人にも見せてみたが「遠目で見てもずいぶん発色がいいねぇ」と驚いていたくらいである。
NEXTREME Carbonの難点を強いて挙げるとするなら、手持ちのUSB PD対応のモバイルバッテリーで充電/給電できなくなったことくらいである。もっとも、公称値でバッテリーが24時間持続するのであれば、1日程度の外出で給電が必要になる場面はあまり生じないと思う。
閃光のように、突然出現したNEXTREME Carbonは、Pro Mobileの後継機種として非常にできが良い。NEXTREMEという言葉「またまたぁ。何も変わらないんじゃないの?」と鼻で笑っていたのだが、完全に私の“敗北”である。短い試用期間であったが、NEXTREME Carbonは、Pro Mobileの上を行く“最上位”モデルなのだ、と納得せざるを得なかった。
なお、この原稿はNEXTREME Carbonで執筆していることを付け加えておきたい。
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