2022年に提供見込みのWindows 11新機能をチェックする:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
2022年秋頃にリリースが見込まれているWindows 11の大型アップデートとなる「22H2」。Windows Insider Programで公開されている新機能などをチェックした。
以前の本連載において、「2022年後半にやってくるWindows 11の機能あれこれ」のタイトルで現在Microsoftが準備中のWindows 11向け最新機能の一部を紹介したが、今回はその続きだ。
米国時間で4月5日(日本時間で6日午前12時)には「Windows Powers the Future of Hybrid Work」という、おそらくはWindowsの話題に比較的フォーカスしたイベントが開催される予定だが、この中で取り扱われると思われる、Windows Insider Previewでテスト中の新機能について触れたい。
ファイルエクスプローラーに“タブ”を付与
3月中旬に一部で話題になっていた機能に、Windows 11のファイルエクスプローラーに“タブ”が付与されるというものがあった。3月9日(米国時間)にWindows Insider ProgramのDev Channelに配信されたWindows 11 Insider Previewの「Build 22572」で、ファイルエクスプローラーのウィンドウに「タブ」が追加できることがツイートで紹介されている。
仕組み的にはそう複雑なものではなく、複数のフォルダーの中身を確認しつつ作業が行えるため、ドラッグ&ドロップのような動作をしないのであれば、複数のウィンドウを1つに集約できる点で画面が整理されて便利な仕組みだ。
Macなどでは普通に実装されている仕組みで、なぜWindowsでサポートされていないのか不思議な機能ではある。Dev Channelで実験的に導入された機能のため、現状でまだ将来的に正式採用されるか不明ではあるものの、Windows 11において操作性を改善させる取り組みの1つだと考えていいだろう。
筆者は把握していなかったものの、前述の ラファエル・リベラ (Rafael Rivera)氏のツイートをたどっていると、「ついにWindowsのエクスプローラーにもタブが“復活”したのか」というコメントが散見されるのに気付く。「復活というが、そんな機能が過去にあったっけ?」と思っていたら、Windows 95の開発コード名である「Chicago」のテストビルドの時代にタブが導入されていたというツイートを見つけた。
当時は「Folder Tabs」という名称だったようだが、まだ1024×768ピクセルのXGA解像度のデスクトップが主流(場合によっては800×600ピクセル)の当時の事情を考えれば、1つのウィンドウに情報を詰め込むタイプの仕組みは、かえって画面がごちゃごちゃして分かりにくく、最終的に製品版で削除されたのかもしれない。
「Search Highlights」と新たな標準アプリ
Build 22572で追加されたのは“タブ”だけではなく、むしろ当該ビルドの紹介記事ではタブの話題が一切振れられていない一方で、いくつかの新機能がアピールされている。
Windows 11の標準アプリとして新たに「Microsoft Family」と「Clipchamp」が加わったが、Microsoft Familyは「ペアレンタルコントロール」の機能を付与する家族メンバー向けの管理アプリ、Clipchampは動画編集アプリとなる。
Microsoftによれば、Clipchampはリアルタイムでのコンテンツキャプチャが可能とのことで、例えばビルトイン型のWebカメラの映像やスクリーン上の動画撮影が行えるようになる。Windows 10ではTeamsなどのWeb会議を録画する手段としてGame Barの機能を利用するケースがあったが、題目通りであればClipchampでもこの役割を代用できる。
同ビルドでの新機能としては、「Search Highlights」が紹介されている。検索用ウィンドウに「本日のハイライト」といった情報が追加表示される機構で、スマートフォンでは近年標準機能として実装されることが多いサービスと同等のものと考えられる。
Microsoft関連の情報に詳しいブラッド・サムス氏は「間もなく広告が挿入されるのではないか」というコメントを出していたが、Microsoftにとって新たなメディアチャネルとして活用する可能性が高いのは確かだろう。
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