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容積8Lで拡張性も十分な新ベアボーン! ASRock「DeskMeet B660/X300」を試す(2/2 ページ)

さまざまな小型ベアボーンPCを用意しているASRockから、拡張性とメンテナンス性に優れた「DeskMeet」シリーズが6月24日から国内で発売される。一足先に2モデルの実機をチェックした。

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IntelとAMDモデルでは対応ストレージに差がある

 DeskMeet B660(Intel)とDeskMeet X300(AMD)両者の主なスペックを表にまとめてみたが、Intel B660チップセットの方がAMD X300チップセットよりも新しく、機能的には少し優位性がある。


両モデルのスペック比較

 中でも大きく違うのがPCI Express(PCIe)の仕様だ。B660ではPCIe 4.0に対応するのに対し、X300はPCIe 3.0までの対応にとどまっている。つまり、X300の方では、現在ハイエンドクラスで標準のPCI Express 4.0 x4対応SSDを搭載しても、本来の性能は発揮できないことになる。

 ストレージの拡張性もB660の方が上だ。M.2ソケットが2基、SATAポートが3基あり、それぞれX300よりも1基ずつ多い。ただし、標準の2.5インチSSD/HDDの固定スペースはどちらも2基で、付属のSATAケーブルも2本だ。裏技(グラフィックスカードを装備しないでSSDを固定するなど)を使わない限り、B660でも2基までだ。

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 B660とX300、どちらもメモリソケットを4基備えており、最大で128GBのメモリに対応する点は強調できる。汎用(はんよう)のMini-ITXフォームファクターのマザーボードではスペースの関係上、メモリソケットは2基の製品がほとんどだ。これだけのコンパクトさで4基のメモリを搭載できるのは、ベアボーンであるDeskMeetシリーズならではの強みといえる。


DeskMeet B660のマザーボード。メモリは4基まで装着可能だ

DeskMeet B660のマザーボード裏側。背面から固定するタイプのCPUクーラーも楽に取り付けられる。M.2ソケット(PCIe 4.0 x4)が用意されている

DeskMeet X300のマザーボード。こちらもメモリソケットを4基装備し、最大128GBまでのメモリを搭載できる

DeskMeet X300の裏面。M.2ソケットは表面のみで、裏面には装備していない

2.5インチSSD/HDDを取り付けるスペースは、背面部に2基ぶん用意されている。B660はSATAポート自体は3基あり、グラフィックスカードを使わずタイラップなどで固定するなどすれば、もう1基搭載可能だ

付属品は両モデル共通だ。電源ケーブル、ネジセット、ゴム足、SATAケーブル2本とマニュアルで、異なるのはマニュアルの記載内容のみとなる

CPUはTDP 65W グラフィックスカードは2スロットで20cm長まで

 組み込めるパーツの仕様についてだが、CPUはTDP 65Wまで対応している。CPUクーラーの高さは最大54mmとなる。Intelの純正クーラー「Laminar RM1」は高さが公称約49mm、AMDの純正クーラー「Wraith Stealth」は公称約54mmで、後者がギリギリ入る計算だ。

 今回はLGA1700とSocket AM4共通で使えるCPUクーラー「IS-40X-V2」(高さ約45mm)を利用したが、余裕を持って組み込むことができた。マザーボード固定板はCPUクーラー取り付け部分が大きく空いているので、このIS-40X-V2のように、マザーボードの裏側を利用して固定するタイプのCPUクーラーもすんなりと取り付けることができる。


CPUクーラーは別売となる。高さは最大54mmまでのCPUクーラーを取り付けられる。両モデルとも、対応CPUはTDP 65Wまでとなっている

今回は、高さ約45mmのトップフロー型CPUクーラーのアイネックス「IS-40X-V2」を利用した。LGA115x/1200/1700、Socket AM4対応と幅広く、グリスやワッシャーなども付属する

 また、グラフィックスカードは2スロット分の高さがあるカードを搭載可能で、長さは20cmが最大となっている。今回はASRockの「AMD Radeon RX 6600 XT Challenger ITX 8GB」(カード長は約179mm)を装着してみたが、こちらも余裕を持って収まり、配線なども窮屈になることなくすんなりと組み込むことができた。

 電源ケーブルも短すぎず長すぎず、ちょうどよい長さで、DeskMeet B660、X300ともに組み立てがしにくい、戸惑うといった部分は一切なく、自作経験があまり豊富でなくともスムーズに組みたてることができるのではないだろうか。


グラフィックスカードはネジ止め式で、サイドプレートを備える

グラフィックスカードを取り付けたところ。長さは20cmまで、2スロット厚まで対応する。なお、ブラケットは一度外したら再利用はできないタイプだ

電源ユニット以外、一通りのパーツを装着したDeskMeet B660。実際の使用状態ではCPUクーラーが下側、グラフィックスカードが上になる

一通りのパーツを装着したDeskMeet X300

電源ユニットも簡単に取り外せ、ケーブルにも適度なゆとりがある。カード長約179mmのAMD Radeon RX 6600 XT Challenger ITX 8GBだと、ケース内もゆとりがあるのが分かる

電源ユニットはこの向きで取り付ける

 次回は実際にパーツを組み込んだ際のパフォーマンスをみていく。

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