ICTの成果は? 「先生の働き方改革」を推進し「生徒の興味喚起」を引き出した岐阜県教育委員会の取り組みから:「Microsoft Education ICT教育フォーラム」レポート(第1回)(5/5 ページ)
日本マイクロソフトが、オンラインイベント「Microsoft Education ICT教育フォーラム」を開催した。この記事では、このフォーラムにおける岐阜県教育委員会の発表についてレポートする。
「難易度」と「協働性」の関係は興味深い
思った以上に興味深いのは「難易度」と「協働性」の関係だ。
大垣北高校において「課題の難しさ」と「誰と協働したいか」をクロス集計した所、課題の難易度が難しかったと答えた生徒のうち、53.8%が能力や専門知識のある人との協働、つまり「知識的協働」を求めていた。一方で、34.6%は感性(考え方)が異なる人との協働、つまり「発想的協働」を求めていた。これが、難易度がちょうどよかったと答えた生徒では逆転し、発想的協働を求める人の方が多くなった。
まとめると生徒の習熟度や学習の到達レベルは、協働相手に求めるものに大きく影響するということになる。難易度と協働性を適切に設定できれば、自由度の高い課題にあたることで、生徒の自信や考えの発展につながるといえる。
では「ワクワク感」を覚えた生徒の興味や関心はどうなるのだろうか。
生徒からのアンケート結果を見る限りにおいて、ワクワク感は「より深く知りたい」という好奇心を喚起することが裏付けされたように思われる。好奇心を持って、自ら学ぶ人間を育てるためには、まず、ワクワク感から生まれる「もっと知りたい」という気持ちを拾い上げ、それによってさまざまなことを楽しみ、モノを考え、生み出すことができる人間を育てられる。そのためには生徒が自分で課題を選ぶという主体的なステップが重要だ。
今回の研究では、データ量はまだ多いとはいえない。「スマートさ」が求められる社会でも自らの足で歩んでいける生徒を育てるべく、今後もこの研究は継続して取り組んでいくという。
次回は、東京都教育庁(東京都教育委員会事務局)の取り組みを紹介する。
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