レビュー

第12世代Core採用でハイブリッドワークに最適化した14型モバイルPC「Let's note FV3」を使って分かったこと(1/4 ページ)

パナソニック コネクトの人気モバイルPC「Let's note FV」シリーズに、第12世代Coreを採用した新モデル「Let's note FV3」が加わった。直販のプレミアムモデルをチェックした。

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 パナソニック コネクトの「Let's note FV」シリーズは、ハイブリッドワークのトレンドを強く意識した14型のモバイルノートPCだ。

 社外や移動中でも利用するモバイルワーク向けのLet's note SVや同QVシリーズとは少し異なり、在宅またはオフィス内での利用がメインで、たまに別の場所へ持ち出して使うスタイルを想定しているのがポイントだ。

 持ち運べる軽さと大きめの画面、ゆとりのあるキーボードを両立させ、さらにパワフルなパフォーマンスやWeb会議に便利なコラボレーション機能を備えるのが特徴となっている。

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 2022年夏モデルでは第12世代Coreプロセッサを搭載し、カメラ機能を強化するなどさらにパワーアップが行われた。今回は直販サイト「Panasonic Store Plus」で購入できるカスタマイズ対応のハイスペックモデル「プレミアム・エディション(CF-FV3ZRCCP)」の評価機を入手したのでレビューしよう。


パナソニック コネクトの「Let's note(レッツノート)FV3」は、最軽量時で約1.034kgの超軽量ボディーと使いやすい画面サイズ、パワフルなパフォーマンスを兼ね備えた14型モバイルノートPCだ

第12世代Coreプロセッサ(Alder Lake-P)を採用

 Let's note FV3に搭載されるCPUは、開発コード名「Alder Lake-P」ことモバイル向けの第12世代Coreプロセッサだ。性能優先のPコアと電力効率優先のEコアを最適に使えるハイブリッドアーキテクチャを採用することで、従来モデルに比べて発熱やバッテリー駆動時間を維持したまま性能を大きく底上げしている。

 今回の評価機はハイスペック志向の「プレミアムエディション」のため、その中でも上位の性能を備えるCore i7-1270P(PBP 28W)を備える。Pコアが4コア8スレッド、Eコアが8コア8スレッド、合計12コア16スレッドのパワフルな仕様で、ビジネス用途はもちろん、ゲームやビデオ編集などクリエイティブなど幅広い用途に対応可能なパワーを持つ。

 第12世代Coreプロセッサはブースト機能を搭載しており、実際に発揮できる性能は、製品ごとの放熱設計や電力設定に大きく左右される。その点、本製品は独自の放熱設計と「MaxPerformer」と呼ばれる独自のチューニングを導入しており、安定して高いパフォーマンスを継続できるようになっている。

 プレミアムエディションでは、メモリとストレージのカスタマイズもハイスペック構成を選択可能だ。メモリはLPDDR4Xを最大32GBまで、ストレージはPCIe 4.0 x4とPCIe 3.0 x4のデュアル構成が可能で、最大で4TBの容量を搭載できる。


搭載するCPUはCore i7-1270Pだ。Pコアが4コア8スレッド、Eコアが8コア8スレッド、合計12コア16スレッドのパワフルな仕様で、最大4.8GHzで動作する

ストレージはPCIeインタフェースのM.2 SSDを2基(PCIe 4.0 x4とPCIe 3.0 x4を1基ずつ)搭載でき、合計で4TB構成が可能だ。評価機はSamsung製のPCIe 4.0x4 SSDを512GB搭載していた

CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)のスコア。PCIe 4.0 x4対応SSDならではの優秀なスコアだ。PCの起動やスリープからの復帰、日常操作もキビキビとしたレスポンスで快適に利用できる

頑丈さと軽量さを両立させたボディーを採用

 ボディーサイズは、約308.6(幅)×235.3(奥行き)×18.2(厚さ、突起部除く)mmと、かつての13.3型クラスのサイズ感で、一回り大きな14型の液晶ディスプレイを搭載している。

 重量は内部の構成によって変化し、約1.099kg~約1.144kgとなる。タッチパネル搭載モデルは約1.204gと、最軽量クラスではないが、気軽に持ち運べるサイズと重量だ。

 Let's noteシリーズならではの頑丈さも健在である。開発段階で76cmからの落下や、100kgfの加圧振動など厳しい試験をクリアしているのに加え、コネクターの挿抜、キーボードの印字、パームレストの塗装などの長期的耐久性にも配慮しているので、安心して使うことができる。


明るいシルバーのボディーは薄型軽量かつ頑丈で、気軽にどこにでも持ち出せる。指紋が付きにくい表面仕上げも好印象だ

フラットな底面。ヒンジに連動して奥のスタンドが浮き上がり、エアフローを効率化する。手前側の左右にステレオスピーカーを内蔵している

着脱可能なバッテリーでUSB PDにも対応

 公称のバッテリー駆動時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0)は、Sバッテリー(約200g)で約9時間、Lバッテリー(約300g)では約17時間の駆動が行える。

 自宅とオフィスの間を往復するものの、どちらもACアダプターを接続して使うというなら軽量なSバッテリー、移動中も利用するなどバッテリーで駆動する機会が多いならLバッテリーを選ぶとよいだろう。

 標準で付属するACアダプターは独自仕様で、出力は85Wだ。小柄で持ち運びやすいタイプだが、USB Power Delivery(PD)にも対応しているため、別売となるが出力100W対応のUSB PD対応ACアダプターなどを使えば、周辺機器を活用した運用も可能だ(全てのUSB PD対応機器の動作が保証されているわけではない)。


評価機は、軽さを優先したSバッテリーを搭載していた。公称駆動時間は約9時間で、約17時間の駆動に対応したLバッテリー(約300g)も用意されている

標準で付属するACアダプターは、独自端子の85W仕様だ。電源ケーブル込みの重量は、約290gと軽量なので持ち運びは苦にならない。オプションではUSB Power Delivery(PD)に対応したACアダプターも用意されているが、サイズはやや大きめとなる

バッテリーはカートリッジ式を採用する。ユーザーが簡単に着脱できるので、2種類のバッテリーを購入すれば状況に応じて使い分けることも可能だ。また、劣化や故障の際もユーザー自身でバッテリーを交換できるので、ダウンタイムなく使い続けられるのもうれしい

「Panasonic PC快適 Navi」ユーティリティーには、画面の解像度を下げてバッテリー駆動時間を延ばす機能が新たに追加されている。評価機の試用時点ではバッテリー駆動のたびにこのユーティリティーを起動して手動で有効にしなければならないようで、使い勝手には改良の余地があると感じた

 続いて、インタフェース回りを見ていこう。

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