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約398gでRyzen 5 5560U搭載! 持ち運べるゲーミングPC「AYANEO AIR」を使ってみた(1/4 ページ)

中国AYANEOが開発したポータブルゲーミングPC「AYANEO AIR」は、わずか約398gのボディーにAMDの「Ryzen 5 5560U」を搭載している。とはいえ、ゲーミングPCとしては少しCPUが弱いようにも思えるが、実際にゲームを楽しむことはできるのだろうか。スタンダードモデルを使って検証してみよう。

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 中国の新興ゲーミングPCメーカー「AYANEO(アヤネオ)」が、新しいポータブルゲーミングPC「AYANEO AIR」を発売した。コンパクトなボディーにAMD製のAPU(GPU統合型CPU)「Ryzen 5 5560U」(2.3GHz~4GHz、6コア12スレッド)または「Ryzen 7 5825U」(2GHz~4.5GHz、8コア16スレッド)を搭載し、設定次第では「AAAタイトル」もプレイ可能だという。日本国内ではハイビーム、リンクスインターナショナルとCFD販売の3社が正規販売代理店となっており、ハイビームにおける税込み販売価格は13万7700円からとなっている。

 今回、ハイビームからRyzen 5 5560U、16GBメモリ、512GB SSDを搭載する「スタンダードバージョン」(税込み販売価格13万7700円)を借りることができたので、その実力を検証していきたい。果たして、ゲームを“快適に”楽しむことはできるのだろうか……?


AYANEO AIR(スタンダードバージョンのオーロラホワイト)

コンパクトかつ軽量なボディーにパワフルなCPU

 まず、本体のスペックを確認していこう。

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 先述の通り、APUはRyzen 5 5560Uを搭載している。CPUコアは7nmプロセスの「Zen 3アーキテクチャ」で、GPUコアは7nmプロセス化された「GCN(Graphics Core Next)アーキテクチャ」のものを搭載している(参考記事)。

 AYANEO AIRに搭載されているRyzen 5 5560Uは、一般的にはミドルレンジのノートPCに搭載されるAPUだが、AYANEO AIRのようなコンパクトかつ軽量なボディーに搭載することは想定されていない。このことが使い勝手にどのくらい影響するのか、注目したい所だ。

 Ryzen 5 5560UのGPUは6コア構成で、動作クロックは最大1600MHzとなる。グラフィックスメモリはメインメモリと共有で、必要に応じて最大3GBが確保される。

 先述の通り、ストレージは512GBのSSDだ。このSSDはPCI Express 3.0接続であることは確かなのだが、「CrystalDiskInfo」ではメーカーやモデル名を確かめることができなかった。気になるといえば気になる点である。


「CPU-Z」でCPUのスペックを確認。モバイル向けRyzen 5000シリーズの開発コード名は「Cezanne(セザンヌ)」である

「GPU-Z」でGPUのスペックを確認。グラフィックスメモリの容量は「3072MB(3GB)となっているが、これはメインメモリと共用である

CyrstalDiskInfoでストレージの情報を確認。メーカーやモデル名はハッキリとは分からなかった

握りやすい一体型コントローラー ディスプレイは小さいがゲーム向き

 AYANEOのポータブルゲーミングPCはコントローラー一体型であることが特徴だが、AYANEO AIRも個の点においてご多分にもれない。コントローラーの部分はグリップしやすいように盛り上げ整形されている。

 そのため、ボディーサイズは約224(幅)×89.5(奥行き)×17~26(厚さ)mmと、厚みに幅がある。一番薄い所はディスプレイのある部分だ。それでいて、重量は約398gと、ディスプレイやコントローラーを一体化したPCと考えるとかなり軽量である。

 ポータブルゲーミングPCは「ポータブル」とは言うものの、それなりの重量があるものが少なくない、それと比べれば、AYANEO AIRは手で握ってプレイするのも苦にならないのが助かる所である。

 ディスプレイはタッチ操作対応の約5.5型のAMOLED(アクティブマトリックス式有機EL)で、解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)となる。パネルの特性として液晶パネル比で1000分の1の応答速度(AYANEO公称値)を実現した他、高コントラスト比(10万:1)、高い色再現性(sRGB比で100%、Adobe RGB比で96%)を実現している。視野角も上下/左右共に175度と広めだ。

 ただし、ディスプレイのサイズが従来(約7型)と比べると小さいことは否めず、Windowsのデスクトップを100%(等倍)表示にすると字が細かすぎて見づらいことも事実だ。

 そのせいか、出荷時は画面の表示比率が175%(1.75倍)に設定されている。しかし、175%設定だと字やアイコンがやや大きく表示されるので、筆者としては150%(1.5倍)設定がちょうど良いと考える。


ディスプレイは約5.5型のAMOLEDで、解像度はフルHDとなる。有機ELだけあって、発色の良さは特筆すべきものがある。タッチ操作にも対応している

 本体と一体化されたコントローラーだが、左側にはアナログジョイスティックと十字キー、右側にはアナログジョイスティックとA/B/X/Yボタン、上部にLT/RTトリガー、LB/RBボタンとLC/RCボタンが用意されている。LC/RCボタンには「Escキー」「スクリーンショット」など、任意の機能を割り当てることも可能だ。

 ポート類は本体上部にUSB Type-C端子を、下部にUSB Type-C端子、microSDスロットとイヤフォン/マイクコンボ端子を備えている。USB Type-C端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力(最大65W)と、DisplayPort 1.4 Alternate Modeによる映像出力にも対応する。

 本体上部の電源ボタンは指紋センサーを搭載しており、Windows Helloの生体認証を利用可能だ。


本体上部には電源ボタン(指紋センサー付き)、ボリュームボタン、USB Type-端子が用意されている。スリットは排気口で、背面から吸い込んだ空気を上部から吐き出すような格好となっている

本体下部にはステレオスピーカー、microSDスロット、3.5mmイヤフォンジャック、クレードル接続用の穴が用意されている

左側面

右側面

本体背面には大きい吸気口が配置されている

左右のジョイスティック周辺にはRGBライティングが備わっており、充電中(外部電源の入力中)は写真のように赤く光るようになっている
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