インテルはどうやって個人にパソコンを売る? 2022年末の戦略
インテルが一部の報道関係者を対象に2022年の年末商戦に向けた「販売/マーケティング戦略説明会」を開催した。コロナ禍やGIGAスクール構想でPCの需要が「前借り」されたとの指摘がある中、どのようにPCを販売していくのだろうか……?
インテルは11月15日、報道関係者を対象とする販売/マーケティング戦略説明会を開催した。説明会では同社マーケティング本部の上野晶子本部長が登壇し、2022年末に向けた個人向けPCのプロモーション活動の方針が示された。
インテル マーケティング本部の上野晶子本部長。手にしているのは、かつての「Centrino」と「Ultrabook」のプロモーションツールである。Centrinoはセン“トリー”ノだけに鳥人間、Ultrabookはウル“トラ”ブックだけに虎人間がフィーチャーされていた(覚えている人はどのくらいいるだろうか……?)
2022年末は「第13世代Core」と「Intel Evo」の2本立て
PCには、大きく分けると据え置きの「デスクトップPC」と持ち運べる「ノートPC(ラップトップPC)」の2種類がある(タブレットPCはノートPCに含めるものとする)。インテルは2022年の年末商戦について、デスクトップPCはBTOショップ(自作PC向けパーツやそのパーツを使った完成PCを販売する店舗)を、ノートPCは家電量販店を主戦場としてプロモーション活動を進める方針だという。
デスクトップPC:ゲーマーやクリエイターに「第13世代Core」を訴求
インテルではクリエイター向けに「Intel Blue Carpet Project」を、ゲーマー向けに「Intel Blue Community Project」というプロモーション活動を展開している。
Blue Carpet Projectでは、さまざまなジャンルのクリエイターをIntel CPU搭載PCを通して直接的に支援する形態を取るのに対して、後者はその名の通りPCゲーマーのコミュニティを通してIntel製品へのエンゲージメント(関係性)を強めるという戦略を取っている。クリエイターとゲーマーの「それぞれの特徴に合わせたアプローチ」で認知を高めるという戦略だ。
2022年の年末商戦では、クリエイターやゲーマーに対してハイエンドデスクトップ向けの「第13世代Coreプロセッサ」(開発コード名:Raptor Lake-S)のパフォーマンスを訴求する戦略を取るという。直近では、PCパーツの卸売りを手がける4社(※1)が共催して11月19日と20日に開催される「第13世代 インテル Coreプロセッサー タッチ&トライ イベント」に協力し、第13世代Coreプロセッサに対応するマザーボードの紹介と、BTOメーカーの同プロセッサ搭載PCのタッチアンドトライを実施するという。
旭エレクトロニクス、岡谷エレクトロニクス、テックウインド、菱洋エレクトロ
11月19日と20日のタッチアンドトライイベントは、秋葉原UDX(東京都千代田区)のイベントスペース「AKIBA_SQUARE」で開催される。指定されたPCパーツショップで対象製品を買うとプレゼントが当たる抽選会や、ステージイベントも開催される予定だ
ノートPC:さまざまなユーザーに「Evoプラットフォーム」を訴求
一方、ノートPCのプロモーションは、家電量販店を舞台により広いユーザーに「Intel Evoプラットフォーム」の優位性を訴求していくという。
Evoプラットフォームは、第10世代Coreプロセッサと同時に始まった「Project Athena(プロジェクト・アテネ)」というノートPCの認証プログラムのブランド名で、現行の第12世代Coreプロセッサでは「第3世代」のプログラムが実施されている。同プログラムの認定を受けたノートPCは一定水準の性能を確保しており、現行世代ならゲームやクリエイティブな作業も“単体で”ある程度こなせるほどにパワフルだ。
2022年の年末商戦では、パートナー(PCメーカーや家電量販店など)の協力の下、Evoプラットフォーム準拠なら何でも快適ということと、いろいろなメーカーのさまざまな選択肢があるということをアピールしていくという。
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