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デルが「Concept Nyx」のアップデートを発表――ゲーミングから「ながら作業」までを目指すCES 2023(1/2 ページ)

Dell Technologiesがゲーミングサーバのコンセプト「Concept Nyx」を発表してから1年――そのアップデートが披露された。ゲーミングにおけるコンセプト開発の傍ら、そのマシンパワーを生かして仮想世界(VR)や拡張現実(XR)、没入型体験におけるユーザー体験の向上にも取り組むという。

 Dell Technologiesは1月3日、2022年に披露した「Concept Nyx」のアップデートを発表した。Concept Nyxは「自宅内に設置する『「ゲームサーバ』」のコンセプト(構想)だが、その能力を活用して仮想世界(VR)や拡張現実(XR)、没入型体験におけるユーザー体験(UX)を高める取り組みを推進していくという。


Concept Nyxは、2022年にゲームサーバの構想として登場した。2023年のコンセプト写真を見てみると、本体のデザインは大きく変えていないものの、用途の拡大を意識してかカラーをグレーとしている

ゲーミング面での取り組み

 先述の通り、Concept Nyxはゲームサーバのコンセプトとして誕生した。その軸はブレておらず、2022年は「ゲームライブラリへのアクセスをよりしやすくする取り組み(研究)」を進めたという。

現代のゲーマーのニーズに応える「ゲームコントローラー」

 最近は、コンソールゲーム機と同様にPCゲームをコントローラーで楽しむ機会が増えた。それを踏まえて、2022年に披露されたコンセプトではモジュラー型のゲームコントローラーを合わせて披露した。それに対して、今回のコンセプトでは指紋認証によって個々のユーザーに最適化された設定が読み込まれるコントローラーを提案している。

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新しいゲームコントローラーのコンセプト(ブラック)。一見するとAlienwareブランドを冠する普通のゲームコントローラーに見えるが、現代のゲーマーのニーズに応えるための仕組みをいろいろ導入しているという

 指紋認証に使うセンサーはAlienwareのブランドロゴの部分に仕込まれており、ここを指で触れると、ユーザーの個別設定(ボタンの機能アサインなど)が読み込まれる。設定次第では、認証と同時にあらかじめ指定しておいたゲームを起動することも可能だという。音声認識による接続(ゲームの起動)にも対応しているそうだ。

 ハプティクス(感覚フィードバック)の強度やサムスティックの感度は、ユーザー/ゲームごとに細かく調整できるようになっている。1つのボタンに複数の機能を割り当てられるようにするための「シフトボタン」や、さまざまな操作に対応するための「スクロールホイール」も用意されている。


コントローラーの正面。下方にあるスクロールホイールは左右で分割されている

コントローラーの背面。ボタンの機能を切り替えるためのシフトボタンは背面の左右に1つずつ付いている

コントローラーの上部には、充電用ポートを兼ねるUSB Type-C端子を備えている

ブラックに加えて、ホワイトのコントローラーも想定されている

画面の「奪い合い」を防ぐ工夫も

 Concept Nyxでは、リビングにあるTVやプロジェクターを使ってゲームを楽しむことも想定している……のだが、その際に家族の間で画面の「奪い合い」(チャンネル争い)が発生することも考えられる。

 そこで今回のコンセプトでは、1つの画面を2分割して、2つのゲームを同時に楽しんだり、ゲームと他の用途(動画視聴やWebサーフィンなど)を並行して処理したりする機能を提案している。出力デバイス(ヘッドセットなど)をあらかじめ指定しておけば、それぞれの音声は個別に出力されるので、互いの音声が混ざることもない。これで「みんなが幸せだ!」という。

 Concept Nyxの管理を行う「ダッシュボード」にも改良を加え、操作を簡素化した他、保護者用の観察/参加/交流用ツールも用意したという。


スクリーンを分割することで、1つの画面で別々のゲームを楽しめる。音声出力デバイスをあらかじめ設定しておけば、「片方は画面から、もう片方はヘッドセットから」あるいは「両者共に別のヘッドセットから」というように音声出力を分離することもできる

AIで「ながら作業」を快適に

 今回のConcept Nyxでは、「ながら作業」を快適にする機能も提案している。

 画面分割機能を使っている際にAIアシスタントを起動しておくことで、チャットやWeb(ビデオ)通話で呼びかけられた際に自動応答したり、呼びかけの会話をキャプション(字幕)として書き起こしたりできるという。「マルチタスカー(ながら作業者)の夢が叶う機能」だという。


スクリーン分割は「ゲームと他用途」という使い方もできる。このイメージでは、ゲームをしながらWeb会議をしている際に、呼びかけられたことを察知したAIエージェントが呼びかけの前後を文字に起こしている
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