見た目も音のリアルさも進化した新型「HomePod」 初代モデルと聞き比べて分かった決定的な違い(3/3 ページ)
Appleから、スマートスピーカー「HomePod」の新モデルが発売される。一度は生産終了したシリーズがなぜ復活したのか。新旧モデルを聞き比べて分かったことを林信行氏がレビューする。
警報を伝える認識機能や温度/湿度センサーも内蔵
初代HomePodが出てからHomePodの役割は進化した。中でも有用なのが、音声で命令する声が誰の声かを見分けて、その人のカレンダーの予定など個人情報をSiriに聞くことができる「パーソナルリクエスト」と呼ばれる機能だ。最大6人までを識別して、再生する曲の好みを合わせたり、その人のiPhoneを(音を鳴らして)探し出したり、連絡先から誰かに電話をかけたりできる。
パーソナルリクエストに関連した機能で使う機会が多いのが、違う部屋にいる家族に録音音声を送信する「インターコム」と呼ばれる機能だ。例えば「みんなに夕飯の支度ができたと伝えて」と命令して、家中のHomePod(やHomePod mini)に声のメッセージを伝えたり、「リビングルームに音量を下げてと伝えて」と特定の部屋のHomePodにメッセージを送ったりすることも可能だ。
実はこれらの機能は初代HomePodでも使えるが、新型HomePodではこのように家族の声を聞き分けるだけではなく、火災警報器や一酸化炭素の発生を知らせる警報器の音も、今後登場するファームウェアのアップデートで聞き分けられるようになる。
リビングなどに設置されたHomePodがこれらの音を感知すると、例えば外出中であっても家族のiPhoneに「緊急事態」を知らせる通知が届き、必要ならiPhoneと家に置いてあるHomePodを直接声で繋ぐこともできる(HomeKitやMatterに対応した監視カメラがあれば、監視カメラの映像を確認することも可能だ)。
例えば、子供を家に置いたまま買い物にでかけている間に、こういった事態が発生した場合など、この機能が人命を救うことになるかもしれないし、聴覚障害などを持っていて警報を聞くことができない人でも、この機能を使えばiPhoneの通知で危険を知ることができる(なお、同様の警報を認識する機能は、既にiOSの「アクセシビリティ」設定にも「サウンド認識」という機能として組み込まれている)。
新型HomePodには、あと2つ新たに追加された機能がある。温度センサーと湿度センサーだ。これらのセンサー、実はHomePod miniにも先行して搭載されていたが、これまで隠し機能として使われずにいた。第2世代HomePodの発売と同時リリース予定となるバージョン 16.3にアップデートすることで、HomePod miniでも利用可能になる。
第2世代HomePodを設置すると、「ホーム」アプリの設置した部屋の一番上の段に温度と湿度が表示されるようになる。温度/湿度ともに数値に幅があるのは、2台設置して、それぞれのHomePodで検知した温度と湿度に違いがあるからだと思われる。なお、この温度/湿度情報はSiriに聞いて確認することもできるし、オートメーション設定に生かすことも可能だ
アップデートすると、iPhoneの「ホーム」アプリでHomePodを設置した部屋を開いた時、上に温度と湿度が表示されるようになる。またSiriに「リビングルームの湿度は?」などと聞いた場合も音声で答えてくれる。
ホームアプリには、オートメーションを設定する機能がある。これを使えば、今後対応のエアコンや加湿器が出てきたら、温度が一定の温度以下になったら暖房を、一定の温度以上になったら冷房を入れるといったオートメーションや、湿度が一定の値未満になったら加湿器を入れる、といったオートメーションを組むことも可能になる。
エアコンに内蔵されたセンサーと違って、利用者のそばで温度や湿度を測れることも強みなら、外出中でも家の温度や湿度を確認できることも強みと言えよう。
iPhoneなどと連携する、HomeKit対応のスマート家電が少ないことを嘆く人もいるかもしれない。Appleは新たにHomeKitに加えて業界標準のスマート家電規格「Matter」もサポートしており、多くの家電メーカーが同規格のサポートを表明していることから、これまでよりかは期待が持てそうだ。
第2世代HomePodの価格は税込み4万4800円(ステレオペアだと8万9600円)で、2月3日からの販売開始となる。
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