見どころは「ワッパ」? AMDの新型ハイエンドCPU「Ryzen 9 7950X3D」の実力をチェック!(2/4 ページ)
AMDの大容量L3キャッシュ搭載CPU「Ryzen 9 7900X3D」「Ryzen 9 7950X3D」の発売日が3月3日11時に決定した。発売に先んじて、最上位製品であるRyzen 9 7950X3Dの実力をチェックしていこう。【訂正】
Ryzen 9 7950X3Dは本当に強い? 性能をチェック!
ここからは、Ryzen 9 7950X3Dの実力をベンチマークテストを通して確認していこう。
今回はAMDから提供された「レビューキット」に、筆者の手持ちの機材を組み合わせてテストを実施した。主な仕様は以下の通りだ。
- CPU:Ryzen 9 7950X3D(16コア32スレッド/4.2GHz~5.7GHz)
- マザーボード:AMD X670Eチップセット搭載(GIGABYTE X670E AORUS MASTER、※3)
- メインメモリ:DDR5-6000 16GB×2(G.SKILL TRIDENT Z5 NEO)
- グラフィックスカード:Radeon RX 6800 XT(MSI RADEON RX 6800 XT GAMING X TRIO 16G)
- SSD:PCI Express 4.0接続 1TB(Crucial P5 Plus 1TB)
- 冷却ソリューション:Fractal Design Lumen S24
- 電源:1000W(ASUS ROG-STRIX-1000G)
- OS:Windows 11 Pro(バージョン22H2)
なお、今回は過去にほぼ同じ構成で行った「Ryzen 9 7950X」(16コア32スレッド/4.5GHz~5.7GHz)と、Core i9-13900K(Pコア8基16スレッド/3GHz~5.8GHz+Eコア16基16スレッド/2.2GHz~4.3GHz)におけるテスト結果も参考値として掲載する。
(※3)一部のテストでは「ASRock X670E Taichi」を利用している
CINEBENCH R23
まず、3Dレンダリングを通してCPUの性能をテストする「CINEBENCH R23」を実行してみた。結果は以下の通りだ。
- マルチコア
- Ryzen 9 7950X3D:3万4136ポイント
- Ryzen 9 7950X:3万7811ポイント
- Core i9-13900K:3万8716ポイント
- シングルコア
- Ryzen 9 7950X3D:2034ポイント
- Ryzen 9 7950X:2056ポイント
- Core i9-13900K:2224ポイント
スコアだけを見ると、Ryzen 9 7950X3Dが一番低くなっている。Ryzen 9 7950Xと比べた場合は、基本(定格)のクロック周波数が300MHzほど低いことが微妙なスコア差をもたらしたと考えられる。
PCMark 10
続いて、PCの総合的な性能をチェックする「PCMark 10」の結果を見ていこう。総合スコアは以下の通り拮抗(きっこう)している。
- Ryzen 9 7950X3D:1万222ポイント
- Ryzen 9 7950X:1万734ポイント
- Core i9-13900K:1万329ポイント
3D V-Cacheテクノロジーは、CPUの扱う命令が頻繁に変わる場合(≒CPUに対する命令データがたくさん出る場合)に効果を発揮する。しかしPCMark 10のテスト内容は「基本的なPC操作」にフォーカスしており、CPUに出す命令という観点に立つと“単調”なので、その効果を確認しづらいのだ。
その効果をチェックするには、複雑な3Dグラフィックスを扱うゲームのように「CPUに出す命令がコロコロ変わるアプリ」を試してみる他にない。
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