見どころは「ワッパ」? AMDの新型ハイエンドCPU「Ryzen 9 7950X3D」の実力をチェック!(3/4 ページ)
AMDの大容量L3キャッシュ搭載CPU「Ryzen 9 7900X3D」「Ryzen 9 7950X3D」の発売日が3月3日11時に決定した。発売に先んじて、最上位製品であるRyzen 9 7950X3Dの実力をチェックしていこう。【訂正】
3DMark
ということで、続けてゲームで用いる3Dグラフィックス機能をテストできる「3DMark」を使って、Ryzen 9 7950X3Dの“底力”をチェックしてみよう。各テストの総合スコアは以下の通りだ。
- Time Spy(DirectX 12ベース/WQHD描画)
- Ryzen 9 7950X3D1万9416ポイント
- Ryzen 9 7950X:1万9203ポイント
- Core i9-13900K:1万9416ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/4K描画)
- Ryzen 9 7950X3D:9840ポイント
- Ryzen 9 7950X:9999ポイント
- Core i9-13900K:9914ポイント
- Night Raid(DirectX 12ベース/フルHD描画)
- Ryzen 9 7950X3D:8万6635ポイント
- Ryzen 9 7950X:8万7128ポイント
- Core i9-13900K:9万3269ポイント
- Fire Strike(DirectX 11ベース/フルHD描画)
- Ryzen 9 7950X3D:4万5450ポイント
- Ryzen 9 7950X:4万5341ポイント
- Core i9-13900K:4万3101ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/4K描画)
- Ryzen 9 7950X3D:1万3372ポイント
- Ryzen 9 7950X:1万3328ポイント
- Core i9-13900K:1万3239ポイント
僅差ではあるが、Ryzen 9 7950X3Dがトップに立つテストも現れた。「誤差でしょ?」と思う人もいるかもしれないが、何度か同じテストを繰り返した限りにおいて、この序列が変わることはなかった。
FF14ベンチマーク/FF15ベンチマーク
続けて、実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を試してみる。
今回は始めから「最高品質」設定として、フルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4K(3840×2160ピクセル」の3解像度でスコアを計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Ryzen 9 7950X3D:3万1810ポイント
- Ryzen 9 7950X:3万911ポイント
- Core i9-13900K:3万2071ポイント
- WQHD
- Ryzen 9 7950X3D:2万6193ポイント
- Ryzen 9 7950X:2万5747ポイント
- Core i9-13900K:2万6392ポイント
- 4K
- Ryzen 9 7950X3D:1万4548ポイント
- Ryzen 9 7950X:1万4537ポイント
- Core i9-13900K:1万4644ポイント
結果をよく見ると分かるが、Ryzen 9 7950X3Dは、少なくともRyzen 9 7950Xには勝っている。あと少しでCore i9-13900Kを打ち倒す所まで迫っていることも感慨深いのだが、勝てなかった理由を考察してみると、FF14ベンチマークがCPU面ではシングルコア性能が重視されるテストであることが影響していると思われる。
少し負荷の大きな「FINAL FANTASY 15 WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」も実行してみよう。こちらも画質を「高品質」とした上で、フルHD、WQHD、4Kの3解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Ryzen 9 7950X3D:1万7612ポイント
- Ryzen 9 7950X:1万7647ポイント
- Core i9-13900K:1万7226ポイント
- WQHD
- Ryzen 9 7950X3D:1万3266ポイント
- Ryzen 9 7950X : 1万3352ポイント
- Core i9-13900K : 1万3262ポイント
- 4K
- Ryzen 9 7950X3D:7437ポイント
- Ryzen 9 7950X:7572ポイント
- Core i9-13900K:7429ポイント
こちらについては、FF14ベンチマークと比べるとRyzen 9 7950X3Dの優位性は見られないように思える。
もちろん、L3キャッシュが非常に多いRyzen 7000X3Dシリーズに最適化されたゲームが登場すれば、結果も変わるだろう。しかし、結果こそ肉薄しているものの、現時点では単純にスコア(≒絶対性能)を出すだけなら、Ryzen 9 7950XやCore i9-13900Kの方が有利ということになってしまう。
……と、ベンチマークスコア“だけ”を見ればRyzen 9 7950X3Dのメリットは見いだしにくい。しかし、まだ我々は見逃しているポイントがある。消費電力だ。
関連記事
デスクトップ向け「Ryzen 7000シリーズ(65W版)」は普段使いからゲームまで快適! 自作PCユーザーの選択肢を広げる!
AMDが発表したデスクトップ向け「Ryzen 7000シリーズ」(65W版)の発売日時が「1月13日11時」に決定した。それに先立ち、今回登場する3つの新CPUの実力をチェックしていこうと思う。Zen 4アーキテクチャの“実力”は? 「Ryzen 7000シリーズ」の性能を先行チェック!
AMDが、Zen 4アーキテクチャを採用する新型デスクトップPC向けCPU「Ryzen 7000シリーズ」を9月30日19時に発売する。それに先駆けて、今回の新製品を試す機会を得たので、その実力をチェックしていこう。最大5.7GHz駆動で競合を打破――AMDが「Ryzen 7000シリーズ」を正式発表 米国では9月27日発売
AMDがことあるごとに“チラ見せ”してきたRyzen 7000シリーズが、いよいよ正式発表された。まずはハイエンド製品でGPUを統合していない「Xシリーズ」から登場することになるが、その“エントリー”製品でも第12世代Coreプロセッサの最上位製品と同等かそれ以上のゲーミング性能を発揮できるという。【更新】Zen 4は「AVX-512」対応 Zen 5は2024年にも登場へ――AMDがCPU/GPUの最新ロードマップを披露
AMDが投資アナリスト向けの事業説明会を開催した。その中で、CPUやGPUの最新ロードマップが披露されたので、コンシューマー(個人向け)製品に関係のある内容をピックアップして紹介しよう。Eコアとキャッシュの増量でより強く! 第13世代Coreプロセッサの実力をチェック
Intelが発売したハイエンドデスクトップ向け「第13世代Coreプロセッサ」は、第12世代Coreプロセッサをさらに洗練したCPUだという。その実力はいかほどのものか、発売に合わせてチェックしてみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.