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無限大のマクロで使い勝手も良好! 65%キーボード「FILCO Majestouch Xacro M3A」を使った感想(2/2 ページ)

2022年11月、ダイヤテックから65%メカニカルキーボード「FILCO Majestouch Xacro M3A」が発売された。この記事では、シルバー軸の英語配列モデルと静音赤軸の日本語配列モデルの2台を実際に打ってみて、どんな感じなのか率直な感想を述べようと思う。

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マクロ機能の充実っぷりが半端ない

 Xacro M3Aシリーズのウリの1つとして、充実したマクロ機能がある。ユーティリティーアプリ「FILCO Assist」を使ってソフトウェアベースでマクロを登録できる他、本体側でキーを押してマクロ登録をする「ハードウェアマクロ」も用意されている。マクロをショートカットで呼び出すための「マクロ設定キー(M1~M3キー)」も用意されている。

 FILCO Assistで設定したマクロは、最大8個までプロファイルとして保存できる。また、レイヤーも最大で4層用意されており、マクロをレイヤーに登録しておくことで切り替えも用意になる。8個を超えるマクロは、FILCO Assistに保存しておけるので、利用できるマクロには事実上上限がない。


専用のソフトウェア「FILCO Assist」。登録されているキーはハイライト表示される

「マクロ ファクトリー」で作成したマクロを「マクロ倉庫」に入れ、そこからプロファイルを選んで登録していく

 マクロの登録は「マクロエディター」で行うが、登録できるマクロの種類は7種類ある。「キー登録」ではCtrl+Sなど単独のショートカットを登録できる。「マルチキー登録」では、登録したいキーを順番に押して登録して利用する。「マウス機能」「マルチメディア機能」「ショートカットキー」「テンキー」では、マウス操作やマルチメディアキー、ショートカット、テンキーの機能を任意のキーに割り当て可能だ。

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 ゲームの中でマクロを使う場合はやはりマルチキー登録だろう。記録したあとでもキーの入力タイミングを10ms以上、1msの単位で修正できるようになっているので便利だ。例えば「Fortnite」で建築するパターンを登録しておき、瞬時に読み出して敵の攻撃を防ぐといった使い方もできる。よく使うあいさつを、「テキストマクロ」に登録して利用するしてもよいだろう。


キー登録ではAltやCtrlキーと任意のキーを組み合わせたショートカットキーを登録できる

マルチキー登録ではキーを押した順番にマクロを登録できる

任意のテキストを登録できるテキスト登録

マウス機能ではマウスの機能をキーに割り当てできる

マルチメディアキーも同様だ

ショートカットキーの登録も可能

テンキーも割り当てできる

 ちなみに、FILCO AssistにはWindowsキーをロックするためのキーを割り当てる「WinLock+」という機能もある。ゲーム中にWindowsキーを“誤爆”してしまうのを避けるために、自分の好きなキーを登録しておけばよいだろう。


Windowsキーをロックするためのキーを任意に設定可能だ

 一方、ハードウェアマクロを使って登録する場合は、本体背面のディップスイッチ「DIP11」をONにした後、FnキーとCtrlキーを1秒間長押ししてアクティブにし、登録したいマクロのキーを押していくだけでよい。

 ソフトウェアマクロとハードウェアマクロを使い比べてみると、ハードウェアマクロは比較的分かりやすい一方で、FILCO Assistを使ったソフトウェアマクロの設定は直感的でない面もある。FILCO Assistのマニュアルも用意されているので、こちらをしっかりと読むことをオススメする。

多くのマクロを使うゲーマー必須アイテム

 Xacro M3Aシリーズは、とにかくマクロを多く設定できることが魅力だ。よく使うキーをマクロにして設定し、プロファイルとして保存しておけば便利に使える。ハードウェア(本体)にマクロを保存することも可能なので、違うPCで使うことになっても自分の設定を利用できるのも利点となる。実売価格は税込みでも2万円を切っており、買いやすいこともポイントだ。

 強いて難点を挙げると、マクロキーの位置だろう。Back SpaceやEnterキーの右側にあるので、慣れない間はマクロキーをたたくことが多く、入力しづらくも感じた。ただし65%キーボードという制約の上で作られているので、他社製品でも似たような位置にキーが配置されていることもあるし、このあたりは致し方ないのかもしれない。

 余談だが、筆者は日常的に日本語入力をPFUの「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」の日本語配列モデルとATOKという組み合わせで利用していて、日本語入力の際には変換キーを押して日本語、そのあともう一度変換キーを押して半角にし、英語入力をするという使い方をしている。

 しかしXacro M3Aシリーズの日本語配列モデルにはこの変換キーが単独で用意されておらず、標準では「Fn+Spaceキー」に割り当てられている。 このため、今回はディップスイッチでFnキーを「かなキー」として設定し、Fn+Spaceキーで日本語/英語を切り替えていたのだが、これがなんとも煩わしい。Xacro M3AシリーズではFnキーをマクロに組み込めず(利用できず)、1つのキーに機能を集約して割り当てられないからだ。独立した変換キーを用意するか、かなキーや無変換キーに変換キーを割り当てられる仕様にしてくれていればありがたかったのだが……。ゲーマー的には、Xacro M3Aシリーズを「ゲーム専用キーボード」として用意し、普段使いのキーボードと切り替えて使うのもあり、なのだろうか。

 ただ、こういった点を除いても、Xacro M3Aシリーズはゲーマー向けによく考えられたキーボードだ。USキーボード、日本語キーボードそれぞれに赤青茶シルバーの軸が用意されているのもうれしい。RPGなどでマクロを多用するゲーマーであれば、買って損はない製品だと思う。

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