パッドを外してSurfaceみたいに使える「ONEXPLAYER 2」は快適? 「バイオハザード RE:4」をプレイしてみた(2/2 ページ)
中国ONE-NETBOOK Technology製ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER 2」は、先代と同じ外観を継承している……と思いきや、パッド(コントローラー)を外せるようになったことが特徴だ。内蔵GPUが比較的強力なRyzen 7 6800Uを採用することで、ゲーミング性能も高めている。実際に、本機でゲームをプレイするとどうなるのか、簡単に試してみよう。
着脱可能なパッド オプションを使えばワイヤレス化可能
ONE-NETBOOK Technologyでは過去に、着脱可能なパッドを装備する「OneGx1シリーズ」をリリースしている。こちらはBluetooth接続を利用しており、ゲームによっては遅延が気になるケースもあった。
それに対して、ONEXPLAYER 2の特徴にもなっている着脱可能なパッドは、ポゴピン接続となっている。本体に直接接続した場合はUSBパッドとして認識されるので、より確実な操作感を期待できる。着脱も簡単だが、結構ガッチリ握り込んでも簡単に外れないので安心してほしい。
なお、このパッドはオプションの「ワイヤレスジョイスティックコネクター」を利用することで2.4GHz帯の無線接続に対応できる……のだが、4月27日現在において販売が始まっていないようである。この点は少し残念だ。
パッド込みでも1kg未満 “幅”が気になるが意外と疲れない
先述の通り、パッドは単体ではワイヤレス動作に対応しない。ゆえにバッテリーも内蔵していない。実測重量は左右で合わせて150gと軽く、本体とパッドの両方をあわせても862.5gと、900gに満たない重さだ。
パッド込みの横幅は約310mmと、両手で抱えてプレイするにはギリギリのサイズ感ではある。しかし、本体とパッドが軽いこともあり、プレイしていても意外と疲れない。
本体には6軸ジャイロスコープが内蔵されており、対応ゲームであれば本体を傾けての操作も行える。とはいえ、基本的には机に両手をついて使うスタイルになるだろう。
実際にゲームをプレイしてみる
ONEXPALYER 2を使用して、普段から遊んでいるSteam版「バイオハザード RE:4」を両手を机の上に乗せるスタイルでプレイしてみた。
筆者は普段、PCゲームはマウスとキーボードでプレイしている。パッドでのプレイには若干の戸惑いはあったが、操作性自体は良好だった。個人的には「RTボタン」と「LTボタン」(Tはトリガーの意)の引っかかりが小さく(狭く)、その影響で中指での操作がしにくいとは感じたが、パッドに不慣れゆえのことである。
今回はTDPを15W(標準の最小値)、ゲーム内解像度を「1280×800ピクセル」とした上でRSRを有効にした状態で遊んだが、フレームレートは30~50fpsで行き来し、平均で40前後といった感じとなった。思っていたほど滑らかで快適というわけでもないのだが、かといってプレイに支障がでるほど重いわけでもない。純粋に遊ぶなら十分である。
GAME CENTERでTDPを向上すれば、もう少し高めのフレームレートで安定すると思うが、そこまでやるとバッテリーの減り方(と発熱)との相談ということになるだろう。というのも、ゲーム中は本体左上の排気口はもちろんのこと、ディスプレイの右側がかなり高温になっていたからだ。
ただし、パッドを握ってゲームを遊んでいる間は、これらの熱は気にならない。排熱設計と合わせて「うまく考えているな」と感じた。
TDPを15Wに設定してゲームを遊んだりベンチマークテストをしたりした後は、本体の中心温度が40.8度、ディスプレイの右側の温度が約43度まで上昇した。ただし、プレイしている間は熱が全く気にならない(室温は24度)
ベンチマークテストで実力をチェック!
最後に、ベンチマークテストの結果も載せておこう。比較対象として、同じくRyzen 7 6800Uを搭載する「ONEXPLAYER mini Pro」で過去に行ったレビューの際のテスト結果(TDP 28W時)も掲載している。ONEXPLAYER 2ではTDPを15Wと28W(標準の最大値)の2パターンで計測している。
先に結果の概要をいっておくと、同じRyzen 7 6800Uを搭載しているだけに、TDPが28Wの場合のスコアはONEXPLAYER mini Proとほぼ変わりない。
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」は、フルHD解像度のフルスクリーン表示で軽量品質、標準品質、高品質をそれぞれ計測してみたが、TDPを15Wに落としても、ゲーム側の設定次第ではかなり遊べそうだと分かった。ちなみにHD解像度のフルスクリーン表示で軽量品質とすると、スコアは「5248(やや快適)」となる。
気になるバッテリーの駆動時間は、PCMark 10の「Battery Profile(Gaming)」で計測した。TDPを15Wに設定して測ると、バッテリー残量97%から6%(強制休止状態)までの駆動時間は「2時間17分」となった。単純計算では、TDPを28Wにするとこの時間は半分になるだろうから、外出先で長時間プレイしたいのであれば、モバイルバッテリーの携帯は必須といえそうである。
ちなみに、ONEXPLAYER 2には65W出力のACアダプターが付属するが、本体そのものは最大で100Wの充電に対応している。より高出力のACアダプター(あるいはモバイルバッテリー)を用意すれば、充電スピードを向上可能だ。
「ゲーミングっぽくない」モバイルゲーミングPCが欲しい人にお勧め!
ベンチマークの結果の通り、ONEXPLAYER 2のゲーム体験は、一回り小さい7型のONEXPLAYER mini Proと同等だ。32GBメモリ/2TB SSDモデルの価格設定(19万8000円)も同じなので、「どちらがいいか?」といわれたら、正直ベースでいうと着脱可能なパッドをどう考えるか次第だろう。
パッドが本体と一体化しているONEXPALYER mini Proは、自宅ではさておき、外出時や職場で仕事で使うのが若干はばかられる。しかし、ONEXPLAYER 2はパッドを外せば「ちょっと厚めだけど、コンパクトなタブレットPC」に変身するので、ビジネスシーンでも使いやすい。
コンパクトなゲーミングPCに興味はあるものの、ゲーム専用に購入するのはためらわれる、どうせなら他の用途にも使いたい――そう思っているなら、ONEXPALYER 2は良い選択肢になりそうだ。
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