容積約0.48L! 最新の「Intel NUC 13 Pro」は手のひらサイズで想像以上の快適さを備えた超小型PCだった(1/3 ページ)
Intelが技術のショーケースとして販売している「Intel NUCシリーズ」。その最新モデルの1つである「Intel NUC 13 Pro(Arena Canyon)」は、モバイル向け第13世代Coreプロセッサを搭載することで「小さいのにパワフル」をより高いレベルで実現している。この記事ではスリムボディーのキット製品でも上位に相当する「NUC13ANKi7」を試していく。
Intelが展開する「Intel NUCシリーズ」から、モバイル向け第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)を搭載する最新モデル「Intel NUC 13 Pro(開発コード名:Arena Canyon)」が登場した。
NUC 13 Proには、完成品である「ミニPC」、ベアボーンの「キット」、組み込み用途向けの「ボード」の3タイプが存在する。ミニPCとキットについては、小型で背の低い「スリム」と、背が高く2.5インチストレージを内蔵できる「トール」の2種類の形状から選択可能で、ボードも含めてラインアップは多岐に渡る。
今回、Core i7-1360Pを搭載するスリムボディーのキット製品「NUC13ANKi7」(実売価格10万円前後)を評価する機会を得た。パフォーマンスや放熱など、気になる所を検証していこう。
約0.48Lのコンパクトボディー ACアダプターは120W出力
今回レビューするNUC 13 Proは、先述の通りスリムタイプのボディーを持つ。突起部のぞく具体的なサイズは、約117(幅)×112(奥行き)×37mmで、容積換算すると約0.48Lだ。「おおむね手のひらサイズ」と言っても差し支えないコンパクトさだ。
16GB×2(合計32GB)のSO-DIMMモジュールと512GBのM.2 SSDを搭載した状態での実測重量は534gと、本体の重量も軽めである。
ただし、このサイズなので電源は内蔵していない。120W出力のACアダプターが付属しているので、それを介して電源を得ることになる。このACアダプターのサイズは約68(幅)×137(奥行き)×25(厚さ)mmで、そこそこの存在感を持つ。付属のケーブル込みでの実測重量は約407gだった。
電源を入れると、本体の内側がほんのりと青く光る。フルサイズのキーボードと組み合わせて使うと、本体のコンパクトさがより際立つ。
シンプルな内部構造
本体底部の4本のねじを外すと、底部カバーのみが外れて内部へとアクセスできる。内部構造はとてもシンプルで、メモリソケット×2と、ストレージ用M.2ソケット×2へとすぐにアクセスできる。
メモリソケットは、DDR4-3200(PC4-25600)対応のSO-DIMMソケットで、最大で64GB(32GB×2)まで搭載可能だ。
ストレージ用M.2スロットは、PCI Express(NVMe)接続SSD用のType 2280ソケットと、Serial ATA接続SSD用のType 2242ソケットという構成となる。
先述の通り、今回評価するNUC13ANKi7はベアボーンキットなので、本来はメモリモジュールとSSDを別途用意しなければならない。しかし、今回は評価キットということで、Kingston製のDDR4-3200メモリ(16GB×2)と、Samsung Electronics製のNVMe SSD(512GB)が付属していた。
NUC13ANKi7には、SSD用とは別に通信モジュール用のM.2ソケットも用意されている。ここにはIntelのWi-Fi 6E/Bluetoothモジュール「Intel AX211NGW」がプリセットされており、アンテナの配線も済んでいる。
この手の小型PCでは、Wi-Fi/Bluetoothアンテナの取り付けに難儀することが意外と多い。あらかじめセット済みなのは、非常に助かる。
内部の全景。メモリソケットはDDR4規格のSO-DIMMで、SSD用M.2ソケットはNVMe専用のType 2280サイズと、Serial ATA専用のType 2242サイズがある。NVMe SSDはWi-Fi 6E/Bluetoothモジュールの“真上”に装着することになる
関連記事
小型PC「Intel NUC 13 Pro(Arena Canyon)」が登場 順次発売予定
Intelが第13世代Coreプロセッサ(P/Uシリーズ)を搭載する小型デスクトップPCのベアボーンキットとボードPCを発売する。一部の構成については、OS、メモリ、SSDが付属する完成品も用意されている。容積14Lで空冷だけどパワフル! Core i9-13900K搭載でコンパクトな「Intel NUC 13 Extreme Kit」を試す
Intelが2022年12月末に発売した「Intel NUC 13 Extreme Kit」は、デスクトップ向け第13世代Coreプロセッサをあらかじめ組み込んだハイエンドベアボーンキットだ。ゲーミングあるいは動画編集の快適さを重視する人にとって、貴重なコンパクトボディーも魅力である。この記事では、Core i9-13900Kを搭載する最上位モデルの使い勝手をチェックする。インテル、13世代Core採用のNUCベアボーン「Intel NUC13 Extreme」を発表 グラフィックスカードの装着にも対応
Intelは、同社製NUCベアボーンの新モデル「Intel NUC13 Extreme」の発表を行った。小型だけどパワフル! 片手で持てる第11世代Core搭載のIntel NUCを試す
超小型PCとしておなじみのIntel NUCに、第11世代Coreを備えたモデルが登場した。「Intel NUC 11」(開発コード名:Panther Canyon)の実力をチェックしてみた。Intel NUCの最新モデルに触って分かった2つのこと
Intelの超小型PC「NUC」を手に入れたとあるユーザーが、ほぼ5年ぶりにPCを自作。すっかりさび付いていた“自作魂”に火をつけたものとは何だったのでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.