中小企業の約2割、10年以上もWi-Fiルーター買い換えていない バッファローは“安定稼働”でリプレース需要狙い
バッファローが法人向けのコンパクトなWi-Fiルーターを投入する。中小企業を対象に行ったWi-Fiの導入状況では驚きの結果も。
中小企業の約2割が10年以上前に導入したWi-Fiルーターを使い続けている──バッファローが中小企業を対象に行ったWi-Fiの導入状況に関する調査で、そんな驚きの結果が出た。一方で、通信の安定性が業務効率に直結するという認知も広がっていることから、Wi-Fiルーターのリプレース需要は高まっているという。
そんな中、同社が投入する新製品は、文庫本並のコンパクトなボディーに、従来モデルから搭載している来客向けのゲスト接続や、高い耐熱性など、法人用途でニーズが高い機能を盛り込んだ「WAPS-AX4」だ。価格は3万8280円(税込)で、8月上旬の発売を予定している。
Wi-Fi 6に対応するエントリーモデルのWi-Fiアクセスポイントで、5GHz帯は最大1201Mbps、2.4GHz帯は最大573Mbps(いずれも理論値)、有線LANポートは1GbE接続に対応している。最大128台(理論値)の同時接続にも対応しており、小規模のオフィスやホテル、店舗などの導入を見込んでいる。
法人向けWi-Fiルーターのリプレース需要を狙い
バッファローが業務用Wi-Fiルーターまたはアクセスポイントを導入している中小企業(従業員数10~300人未満)の情報システム部門、511人を対象に行った調査によれば、Wi-Fiの導入はほぼ全ての中小企業で完了している一方で、約半数が4~9年前に導入したWi-Fiルーターを使い続けている実情がある。
さらに約2割は10年以上前に導入した製品をそのまま使い続けているという。
そうした背景もあってか、現場からは「電波がつながらない、途切れる」「速度が遅い、遅くなる」という課題が多く浮上しているという。
同社が7月26日に行った新製品発表会では、事業本部 法人マーケティング部長の富山強さんが、「これから、Wi-Fiルーターのリプレース需要が高まっていく。通信の安定性にこだわった商品を出していきたい」として、通信環境の改善による業務効率化を求める現場のニーズに応えたい姿勢を示した。
実環境での安定稼働にこだわり
安定稼働する製品を開発する上で、具体的にどのように取り組みを行っているのか。バッファローの石丸正弥さん(常務取締役)は、「実環境での使い勝手にこだわる」として、次のような事例を説明する。
「GIGAスクールで学校に納入したWi-Fiルーターの開発では、実際に1クラス40台分のタブレットを用意して、全員同時にネット動画を再生しても耐えられるかといったテストを行った。顧客と同じ実環境を用意して、商品に磨きを掛けている。カタログスペックにこだわるのではなく、ユーザーが本当に必要な機能を見極めて製品に反映しながら、リーズナブルな価格を実現することを目指している」(石丸さん)
同社の横井一紀さん(常務取締役)によれば、顧客からの声を吸い上げるフィールドエンジニアは直近1年で1.5倍、営業は直近5年で約2倍に増員するなど、現場に携わる人員も強化しているという。
安定稼働を重視した法人向けの新製品や、保守サービスなどを強化することで、バッファローは中小企業を含む法人向けWi-Fiルーターの買い換え需要を掘り起こしたい考えだ。
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