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CPUの型番はいつ決まる? どうやって決める? Intel最新CPUの作り方、みんなに見せちゃいます!大人の社会科見学(3/5 ページ)

IntelのCPUの多くは、マレーシアにある工場で作られている。同国で開催された報道関係者向けのイベントにおいて、同社がCPUを作る過程を公開したので、ガッツリと紹介したいと思う。

第1工程:ウエハーからダイに切り分けテル!

 世界各地にあるウエハー工場から運搬されてきた円盤状のウエハーは、クリムキャンパスにある「Die Sort Die Prep(DSDP)」という施設においてCPU製品の基本構成部品としての最小単位である「ダイ(チップ)」として切り分けられる。

 ウエハーからダイの切り出し、そして切り出されたウエハーをトレイに並べる作業は、全てロボットなどを用いた自動制御となっている。また、全ての製造装置の状態はリアルタイムで監視されており、万が一、何らかの問題が出た場合は人間の担当者が対応を図るようになっている。

 なお、ダイを紫外線の影響から守るために、DSDP工場内の照明は意図的に“黄色”の光線を発するようになっているのが面白い。白色光から、紫外線を含む「青色より高い周波数の光(青色より波長の短い光)」をごっそりとカットするための配慮だという。

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クリムキャンパスにあるDSDP工程の施設は「KMDSDP(クリムDSDP)」と呼ばれる。写真は製造工程の解説(左/中央)と、過去から現在に本施設で作られたCPU製品群のサンプル(右)の前で説明を受けた

世界中の工場から運ばれてきたウエハーたち。写真が黄色っぽいのは、照明自体が黄色光を発しているからである
ダイは、レーザーカッターやダイヤモンドカッターを使ってウエハーから切り出される
切り出されたダイは、機械の手で専用のトレイに並べられる

ダイを満載したトレイがある程度たまると、AGV(Automated Guided Vehicle)によって次の工程へと運搬される

第2工程:ダイの“できばえ”を選別しテル!

 たくさんのダイが載せられたトレイは、AGVによって「Singulated Die Sort Tester(SDX)」と呼ばれる装置まで運ばれる。

 SDXは、ダイに対して超基本的な電気的駆動テストを実施する。行われるテストは1つのダイに付き数分程度とのことで、何らかの実動アプリケーションを実行するというよりは、テスト用のマイクロプログラムを実行するというイメージだという。

 ここでは、1つ1つのダイに対して「正常かつ安定的に動作するコアの数」や「電気(電圧)やクロックへの耐性」などについて、大まかに判定される。つまり、このテスト結果によって、CPUとしての“グレード”がおおむね決まるのだ。


SDXがずらりと並んだ一角

単機のSDXも用意されている

AGVに載ってきたダイ入りのトレイは、SDXに自動でセットされてテストされる

 SDXで基本的な選別を受けたダイは、判定グレードごとに「テープ&リール」と呼ばれる、映画のフィルムリールのようなものに巻かれて次の工程へと進む。


SDXで基本的な選別が行われたダイは、テープ&リールと呼ばれるものに巻き付けられる

 次は、ついにCPUとしての“組み立て”だ。

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