さよなら「i」 こんにちは「Ultra」――Intel Coreプロセッサが15年ぶりにリブランディング Meteor Lakeから適用

2023年後半に登場する新型CPU「Meteor Lake（開発コード名）」に合わせて、IntelがCoreプロセッサのリブランディングを実施する。モデル名に含まれる「i」を省く他、「第○世代」という表記を廃止することでブランドそのもののシンプル化を進める一方で、最先端モデルには新たに「Core Ultraプロセッサ」というブランドを導入するという。

[井上翔，ITmedia]

　Intelは6月15日、同社のクライアント向けCPU「Intel Coreプロセッサ」のブランディングを2023年後半に刷新することを発表した。今後のCPUの開発ロードマップを鑑みた取り組みで、2023年後半に登場する予定のMeteor Lake（開発コード名）から適用される予定だ。

リブランディング後のロゴ。どこが変わるのか、分かるだろうか……？

リブランディングの概要

　Coreプロセッサのリブランディングは、2008年に「Core i」というプロセッサ名を導入して以来約15年ぶりとなる。新しいブランディングの内容は以下の通りだ。

参考として、現行のブランディングはこのようになっている。バッジ（ロゴ）のデザインは、第11世代Coreプロセッサ（開発コード名：Tiger Lake／Rocket Lake）から使われているものだ

ポイント1：「i」の削除

　まず、呼称のシンプル化を狙って、プロセッサの名称に含まれる「i」を削除する。そのため、今後のCPU名は以下の通りとなる。

• Core i3プロセッサ→Core 3プロセッサ
• Core i5プロセッサ→Core 5プロセッサ
• Core i7プロセッサ→Core 7プロセッサ
• Core i9プロセッサ→Core 9プロセッサ

　基本的には「i」がなくなるだけで、数字が大きくなるほど上位のプロセッサとなることに変わりはない。

　モデル（SKU）名の付け方は、原則として従来のスタイルを踏襲する。一方で、今後はプロモーションにおける「第○世代」という表記を廃止し、「Core 5プロセッサ ##xxxH」といった表記に改める（##には世代数が入る）。CPUが内部に保有するモデル名からも、「○th Gen」の表記を削除するという。

CPU名から「i」を取り除くことで、モデル名のシンプル化を図る。Core 9プロセッサ（旧Core i9プロセッサ）が見当たらないが、基本的に最上位に来るCore 9プロセッサは後述する「Ultra」ブランドの製品として登場するもの思われる

Core 5プロセッサのブランドバッジの貼り付けイメージ

現行のIntel製CPUは、この画像のように内部で保有する自称に世代表記を含んでいる。今後の新CPUでは、世代を表す表記（画像なら「12th Gen」という部分）が省かれる

ポイント2：「Core Ultraプロセッサ」登場

　今回の刷新に伴い、最先端のクライアント向けCPUのブランドとして新たに「Core Ultraプロセッサ」が登場する。

　Intelの説明によると、Core 5プロセッサ（旧Core i5プロセッサ）以上の一部モデルがCore Ultraプロセッサとなるようだ。ただし、“Ultra”とされる基準は示されていない。

最先端のクライアント向けCPUのブランドとして、Core Ultraプロセッサが登場する。ただし、現時点ではUltraとなる基準は示されていない

Core 7 Ultraプロセッサのブランドバッジの貼り付けイメージ

ポイント3：Intel Evoは「Intel Evo Edition」に

　Intelが第10世代Coreプロセッサから導入したノートPCの認証プログラム「Project Athena」は、第11世代Coreプロセッサにおいて「Intel Evoプラットフォーム」という愛称が付けられた。

　今回のCPUのリブランドに合わせて、Evoプラットフォームは「Intel Evo Editionプラットフォーム」に改称され、新しいデバイスラベルが導入される。名称に「Edition」を付けることで、Intelの“お墨付き”であることを強調する狙いがあるものと思われる。

ノートPCの認証プログラムは「Intel Evo Editionプラットフォーム」に改称され、新しいデバイスラベルも導入される

ポイント4：Intel vProにはデバイスラベルを導入

　企業向けの管理／セキュリティ機能「Intel vProプラットフォーム」は、第12世代Coreプロセッサで導入された「Essentials（一部機能のみ対応）」と「Enterprise（全機能対応）」の2クラス制を維持する。

　今回のリブランディングに合わせて、vProプラットフォームには専用のデバイスラベルが導入される。vPro EnterpriseとEvo Editionの両方に準拠するノートPC固有のデバイスラベルも用意されている。

Intel vProプラットフォームに導入される新しいデバイスラベル

Intel製のCPU／GPUの汎用（はんよう）ロゴのデザインも少し変わる