新規格「Thunderbolt 5」は従来比で最大2倍の伝送速度! 搭載製品は2024年から順次登場:USB4 Ver.2.0に完全準拠
Intelが新しいポート規格「Thunderbolt 5」の概要を発表した。既にUSB-IFから発表済みの「USB4 Version 2.0」のフルスペックを備えることが必須となっており、“何でもつなげるポート”としての機能を強化している。
Intelは9月12日(米国太平洋夏時間)、新しいポートアーキテクチャ「Thunderbolt 5」の概要を発表した。同規格に対応するPCとポートコントローラー(開発コード名:Barlow Ridge)の搭載製品は、2024年初頭から順次発売される予定だ。
Thunderbolt 5の概要
現行の「Thunderbolt 4」は、USB4(現在のUSB4 Version 1.0)に“完全準拠”していることが特徴だ。
それと同様に、今回登場するThunderbolt 5はUSB4 Version 2.0 に“完全準拠”する規格として登場する。そのため、Thunderbolt 5端子を備えるPCは、以下の要件を全て満たす。
- 最大80Gbpsの通信(USB 80Gbps)に対応
- Thunderbolt 3/4およびUSB4 Version 1.0(USB 40Gbps)の2倍の速度
- PCI Express 4.0準拠の通信も可能
- 非対称通信を利用すると片方向のみ最大120Gbpsで通信可能
- この場合、逆方向の通信は最大40Gbpsとなる(従来と同様)
- 「DisplayPort 2.1」に対応(※1)
- 8K(7680×4320ピクセル)映像を最大2画面に伝送可能
- 4K(3840×2160ピクセル)/144Hzの映像を最大3画面に伝送可能
- フルHD(1920×1080ピクセル)/540Hzの映像を伝送可能
(※1)Thunderbolt 5対応PCでは、少なくとも6K(5760×3240ピクセル)の映像を2画面伝送できる能力を備える必要がある
片方向120Gbps通信は、超高解像度ディスプレイの接続を想定したものだ。先述の通り、USB4 Version 2.0ではオプション規格だが、Thunderbolt 5に準拠するためには“必須”の機能となる
Thunderbolt 5端子を搭載するPCでは、Thunderbolt 3/4やUSB 2.0/3.2との後方互換性を備える必要がある。ただし、USB 3.2規格についてはUSB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2x1相当)への対応は必須だが、USB 20Gbps(USB 3.2 Gen 2x2相当)への対応はオプションとなっている。
なお、Thunderbolt 5規格の周辺機器のうち、USB PD(Power Delivery)規格での給電に対応するもの(ドッキングステーションやディスプレイなど)は、少なくとも最大140Wの給電能力を備える必要がある。
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