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条件付きで最大120Gbps通信にも対応――「USB4 Version 2.0」の仕様書が公開される
11月の開発者イベントを前に、USB Implementers Forum(USB-IF)がUSB4 Version 2.0の仕様書を公開した。最大80Gbps通信に対応していることが同規格の目玉だが、仕様書の公開によって「非対称通信モード」(オプション)を利用することで片方向のみ最大120Gbpsで通信できることが判明した。【更新】
USB Implementers Forum(USB-IF)は10月18日(米国太平洋夏時間)、データ伝送規格「USB4 Version 2.0」の仕様を公開した。「PCI Express 4.0」や「DisplayPort 2.1」といったPCにおける最新インタフェース規格に準拠した他、一定の条件で最大120Gbpsの信号伝送も許容する(詳細は後述)。
【更新:10月20日13時5分】一部表記を改めました
USB4 Version 2.0の概要(既報の内容も含む)
USB4 Version 2.0は、現行規格である「USB4(USB4 Version 1.0)」のアップデート版で、仕様の概要は以下の通りだ。なお、最高通信速度は全て理論値である。
- USB 80Gbps(最大80Gbpsの通信)への対応(Version 1.0の2倍)
- 「PAM3」をベースとする新しい物理層アーキテクチャにより実現
- 従来の「USB4(USB 40Gbps)パッシブケーブル」を流用可能
- 新登場する「USB 80Gbpsアクティブケーブル」でも利用可
- 非対称通信によって片方向のみ最大120Gbpsで通信可能(オプション)
- 片方向で広帯域を求めるデバイス(超高解像度ディスプレイなど)での利用を想定
- 反対方向の通信速度は最大40Gbpsとなる
- 通信プロトコルのアップデート(主にトンネリング回り)
- トンネリングによる20Gbps超の通信を実現(理論上はUSB 3.2 Gen 2x2(USB 20Gbps)にも対応可能)
- DisplayPort 2.1やPCI Express 4.0に準拠
- 過去の全バージョンのUSB規格との後方互換性を確保
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