レビュー

「Samsung Portable SSD T9」は片手サイズで胸ポケットもOKなUSB 3.2 Gen 2x2対応ポータブルSSDだったポータブルストレージの道(1/3 ページ)

日本サムスンが、USB 3.2 Gen 2x2に対応したPortable SSD T9を発売した。理論上では最大毎秒2GBの速度がウリの外付けSSDだ。発売前に評価機を借りられたので検証する。

 日本サムスンが、USB 3.2 Gen 2x2規格に対応したポータブルSSD「Samsung Portable SSD T9」(以下、T9)を発売した。USB 3.2 Gen 2x2は最大転送速度が毎秒約2GBと、高速なUSB規格だ。前モデルの「Samsung Portable SSD T7 Shield」(以下、T7 Shield)と比べ、転送速度が約2倍になったため、一般ユーザーはもちろん、動画や高解像度の写真などを扱うクリエイターには有用な外付けストレージとなる。

 なお、T9には容量1TB/2TB/4TBのモデルが用意され、容量によって若干仕様が異なる。実売想定価格はそれぞれ1万8480円/3万1480円/5万7980円と、T7 Shield登場時(1TBが2万980円/2TBが3万9980円)よりも安価になっている(税込み、以下同様)。


ポータブルSSD「Samsung Portable SSD T9」。今回は容量2TBのモデルを試した

傷や汚れに強くあらゆる面で落としても安心のポータブルSSD

 前述の通り、T9はUSB 3.2 Gen 2x2の規格に対応しており、最大読み出し速度が理論上で毎秒2000MBとなっている。ただし、書き込み速度に関しては、容量1TBと2TBモデルが最大毎秒1950MB、4TBモデルが最大毎秒2000MBとわずかに異なる。

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T9のパッケージ。カラーはブラックのみだが、高級感がある

付属品一覧。取扱説明書とUSB Type-C→USB Type-Cケーブル、USB Type-A→USB Type-Cケーブルが付属する

ボディー側面にあるUSB 3.2 Gen 2x2対応のUSB Type-C端子。左のLEDランプは動作時に青く光る

反対側には法定情報や製品情報などがプリントされている

 重量は公称で約122gとなっているが、実測値で117g、付属のUSB Type-Cケーブルを加えても135gと軽い


Samsung Portable SSD T9は単体で117gだった

付属のUSBケーブルと併せても135gで済む。いつも持ち歩く荷物に追加しても、特に気にならない重さだろう

 ボディーサイズは約88(幅)×60(奥行き)×14(高さ)mmとコンパクトだ。クレジットカードまたは名刺とほぼ同様のサイズに近い。従来モデルとT7が約88(幅)×59(奥行き)×13(厚さ)mm、重量が公称値で約98g(実測値で93g)だったことを考えると、若干大きくなって重量も増えてはいるが、胸ポケットにもすっぽりと入る小型サイズだ。


プラスチック製クレジットカードとほぼ同じサイズ。もちろん厚みはある

 動作温度は0度~60度、非動作時では-40度~85度までの耐冷/耐熱温度となっている。T7 Shieldのような防水/防じん性能は省かれているが、約3mからの落下に耐えられるほど頑丈だという。これは、強力なアルミニウムの内部ボディーを耐久性の高いゴム素材でコーティングしたことで実現している。

 表面がゴム素材なので握りやすく、手から滑り落ちにくくなっている。また指の爪程度では傷がつかず、汚れてもさっと拭き取れば美観を保てる。ゴム素材ではあるが、カーボン素材のようなプリントが施されているため、高級感もある。


爪で力強く引っかいても傷がつかない。万が一、圧力で凹んでしまったとしても、数回こすれば、元に戻る

ボディーはしっとりとしたゴムの感触があって握りやすい

ゴム素材にカーボンプリントを施して、ファブリックのような高級感を与えている

 もちろん物理面だけでなく、ソフト面でも頑丈さを兼ね備える。後述する「Samsung Portable SSD Software 1.0」により、AES 256bitハードウェア暗号化をかけることができる。これなら、物理的にもデータ的にも落としてしまうことによるダメージをかなり防げるのではないだろうか。

 それでは、早速本製品を使っていこう。

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