PCIe 4.0対応M.2 SSDはここまで来た! 「Crucial T500」の実力をチェック(1/2 ページ)
Micronのコンシューマーブランド「Crucial(クルーシャル)」から、新型のPCI Express 4.0 x4対応M.2 SSD「Crucial T500」が登場する。売れ筋となった先代の「P5 Plus」と比べてパフォーマンスを向上しつつも、消費電力を抑えたことが特徴だという。発売に先駆けて、エンジニアリングサンプル(ES)版を試してみよう。【追記】
Micronは10月31日、個人向けブランド「Crucial(クルーシャル)」において、PCI Express 4.0 x4対応の新型M.2 SSD「Crucial T500 PCIe Gen4 NVMe SSD」を発表した。日本における価格や発売日は、後日改めて発表される予定だ。日本における想定販売価格は以下の通りとなっている(括弧内はヒートシンク付きモデル)。
- 500GBモデル:1万6000円前後
- 1TBモデル:2万1000円前後(2万2000円前後)
- 2TBモデル:3万円前後(3万2000円前後)
同ブランドからは既に、よりハイスペックなPCI Express 5.0 x4対応の「Crucial T700 PCIe Gen5 NVMe SSD」も投入されている。しかし、PCI Express 5.0規格のM.2スロットを備えるPC(マザーボード)がまだそれほど多くなく、発熱面もシビアなこともあり、T700のようなPCI Express 5.0対応製品は「時期尚早」と考えるユーザーも少なくないだろう。
その点、今回紹介するT500は、ある意味で“成熟した”PCI Express 4.0 x4接続の製品で、同規格における理論上の最高速度に近い読み書きパフォーマンスを発揮できるようになっている。今回、リリース前の「エンジニアリングサンプル(ES)版」を試す機会があったので、その実力をチェックしていく。
【更新:11月2日20時10分】日本における想定販売価格が公表されたことを受けて、価格部分の表記を差し替えました。合わせて、一部の写真も差し替えています。
伝送速度の限界に挑むSSD
Crucial T500は自社(Micron)製の232層3D TLC NANDフラッシュメモリと、Phison製コントローラー「PS5025-E26」を組み合わせたSSDだ。容量のラインアップは500MB、1TB、2TBの3種類で、1TBモデルと2TBモデルについては「ヒートシンクあり」と「ヒートシンクなし」の2種類を取りそろえる。
ヒートシンク付きモデルは、ヒートシンクの装着を必須としている「PlayStation 5」の増設SSDとしても利用できる。一方で、ヒートシンクなしモデルはノートPCでの利用も想定しているという。
Crucial T500の1TBモデルと2TBモデルには、ヒートシンク付きとヒートシンクなしが用意されている。ヒートシンク付きについては、メーカーとしてPlayStation 5での利用が公式サポートされている。ヒートシンクなしモデルについては、ノートPCへの組み込みも想定しているという。
公称のスペックは以下の通りとなっており、特に今回レビューする2TBモデルは、PCI Express 4.0 x4の理論上の最高伝送速度(毎秒約8000MB)に近いシーケンシャル(連続)読み出し速度を発揮可能だ。
- 500GBモデル
- シーケンシャル読み出し:毎秒7200MB
- シーケンシャル書き込み:毎秒5700MB
- 耐久性:300TBW
- 1TBモデル
- シーケンシャル読み出し:毎秒7300MB
- シーケンシャル書き込み:毎秒6800MB
- 耐久性:600TBW
- 2TBモデル
- シーケンシャル読み出し:毎秒7400MB
- シーケンシャル書き込み:毎秒7000MB
- 耐久性:1200TBW
PCI Express 4.0 x4規格のM.2スロットは、現行の手頃な価格のマザーボードでも搭載されている。Crucial T500は、自作PCを含む多くのPCの高速化に寄与するパーツとなりそうだ。
なお、基盤の実装は「片面」となる。そのため、M.2スロットと基板の間のクリアランスに余裕のないマザーボードやノートPCでも安心して装着できる。ただし、ヒートシンク付きの場合は裏面(チップ未実装面)までヒートシンクが回り込んでいるため、スロット回りの物理的構造によってはうまく装着できない。その点は注意したい。
続けて、Crucial T500の実力をベンチマークテストを通してチェックしていく。
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