Microsoftが個人向け「Copilot Pro」をリリース 優先アクセス権やMicrosoft 365との連携機能などが付いて月額3200円
Microsoftが、個人向けに「Copilot」の有料サブスクリプションサービスを開始した。無料版よりも処理の優先度を上げてもらえる他、Microsoft 365のデスクトップアプリとの連携機能などを利用できるようになる。
Microsoftは1月15日(米国太平洋時間)、日本を含む15カ国において有料サブスクリプション方式の生成AIサービス「Copilot Pro」の提供を開始した。日本における月額料金は3200円(税込み)で、利用には「Microsoftアカウント」が必要となる。Microsoft 365 Personal/Familyと組み合わせて使う場合は、有効なMicrosoft 365の契約が別途必要となる。
Copilot Proの概要
Copilot Proは、無料で利用できる「Copilot」の個人向け上位サービスという位置付けだ。現時点ではWebブラウザ、Windows 10/11(Copilot on Windows)、macOS/iPadOS向けの専用アプリから利用可能で、iOS/Android向けアプリでも近日中に利用できるようになる。日本語を含む7言語に対応する。
本サービスで利用できる主な機能は以下の通りだ。
- ピーク時でも「GPT-4」「GPT-4 Turbo」への優先アクセスが可能
- サーバにアクセスが集中した場合でも、より高度な言語モデルを使える
- Microsoft 365を構成するアプリからCopilotにアクセスが可能
- アプリ内から「文書の下書き」「メールの要約」「プレゼンテーションの作成」などを行える
- 対応アプリはWord/Excel(※1)/PowerPoint/Outlook/OneNote
- Microsoft 365 Familyと組み合わせる場合はユーザー単位でCopilot Proの契約が必要
- 「Designer」(旧Bing Image Creator)のブースト(※2)を多く割り当て
- 通常は「1日当たり15ブースト」のところ、「1日当たり100ブースト」を付与
- より多くのAI画像を、より迅速に生成可能
- 「Copilot GPT Builder」を使って、Copilot GPTをカスタマイズ可能(近日提供予定)
- シンプルなプロンプトで設定できる
(※1)リリース当初はプレビュー版で、英語でのみ利用可能
(※2)画像生成を高速化するためのターン(チケット)
現時点ではWebサイトの他、App Storeのアプリ内購入(macOS/iPadOS向けアプリのみ)で購入できる。Microsoft 365 Personal/Familyのアプリから利用する場合は、同じMicrosoftアカウントでログイン(サインイン)して使う必要がある。
法人向け「Copilot for Microsoft 365」のサービス内容に変更も
Copilot Proに相当する機能は、法人向けには「Copilot for Microsoft 365」として既に提供されている。有償のアドオン(追加)サービスとして、1ユーザー(アカウント)当たり月額3750円(年間契約)で利用できる。
今回、この法人向けサービスも以下の通りアップデートされる。
- 個人/SOHO向けの「Microsoft 365 Business Premium」「Microsoft 365 Business Standard」ライセンスとの組み合わせにも対応(順次)
- 「Office 365 E3」「Office 365 E5」ライセンスでも利用可能に(順次)
- 従来は「Microsoft 365 E3」「Microsoft 365 E5」と組み合わせる必要があった
- 同サービスでは最小ユーザー数も撤廃(300人未満でも契約可能に)
- ライセンスを「Microsoft Cloud Solution Provider」経由で購入可能に
なお、教育機関向けの「Microsoft 365 for Education」でも、1月1日付で「Microsoft 365 A3」「Microsoft 365 A5」の教職員向けライセンスにおいてCopilot for Microsoft 365を利用(契約)できるようになっている(参考リンク)。
Copilot自体にも新機能
無料で利用できるCopilotにも、以下の通り新機能が追加されている。
- 「Copilot GPT」の順次実装
- ユーザーの興味に合わせてCopilotの振る舞いを変更可能
- Copilot Pro契約者は独自のCopilot GPTを作成可能(先述:近日実装予定)
- モバイル(Android/iOS)向け「Copilotアプリ」を提供
- PC向けCoplilot(Copilot on Windows)とクエリやチャットの同期も可能
- GPT-4やDall-E 3にもアクセス可能
- Android版アプリ/iOS版アプリ
- モバイル向け「Microsoft 365アプリ」内からもCopilotを順次利用可能に
- Copilotで作成したコンテンツをWordドキュメントやPDFファイルとして出力できる
- 個人用Microsoftアカウントでログインする必要がある
- 2月までに全ユーザーに展開予定
- Android版アプリ/iOS版アプリ
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