Googleがデジタルコンテンツの真正性を高める業界団体「C2PA」に参加 YouTubeなどへの「出所/来歴確認」機能の追加を推進
ディープフェイクや無断転載されたコンテンツが問題視される中、Googleがデジタルコンテンツの真正性を高めるための業界団体に中心メンバーとして参加することになった。Google検索やYouTubeなど、各種サービスにC2PA規格の出所/来歴確認機能を組み込むための検証を進めていくという。
Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)は2月8日(米国太平洋時間)、Googleが同団体の運営委員会に参加することを発表した。今後、Googleはコンテンツの改ざんを防止するための「コンテンツクレデンシャル(出所/来歴証明)機能」の適用を促進すると共に、C2PAの運営委員会メンバーと共にコンテンツの無断転載/改ざんを防ぐための技術開発を進める。
C2PAについて
C2PAは、Adobeが主導する形で誕生した任意団体で、コンテンツにメタデータを埋め込むことで出所や来歴を確認/トレースできる仕組みの導入を推進している。
同団体の運営委員会は、コンテンツの来歴記録に関する規格を策定する中心メンバーという位置付けだ。Adobeの他、BBC(英国放送協会)、Intel、Microsoft、Publics Groupe、ソニー、Truepicが参加している。
日本企業ではソニーの他に、一般メンバーとしてキヤノン、サイバートラスト、NHK(日本放送協会)とニコンが、コントリビュートメンバーとしてパナソニックと凸版印刷が参加している。
Googleは「AIに対する責任におけるアプローチ」の一環としてC2PAに運営委員会メンバーとして参画することを決めたという。同社では今後、C2PA規格の来歴確認機能のサービスへの実装範囲や方法を順次検証していくという。具体的には、以下のサービスへの組み込みを想定しているようだ。
- Google Deepmindの「SynthID」
- Google検索の「この画像について」(画像の詳細情報表示)
- YouTubeのラベリング機能(コンテンツの変更/合成履歴の確認)
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