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外付けGPU「ONEXGPU」でビジネスノートPCをパワーアップしてみた オンライン会議における“もっさり”の解決策になる?(3/5 ページ)

パフォーマンス不足が気になるビジネスノートPCに外付けGPUを接続したらどうなる? 実際に試してみた。

「ONEXGPU」の実力を試す

 eGPUとしてグラフィックスボードを接続する場合、大きく分けて2つの方法がある。1つはeGPUボックスと呼ばれるケースを使用する方法だ。

 ケース内部には電源の他、通常のPCIeスロットが備えられているため、一般的なグラフィックスボードが利用できる。ビジネス用途であればそこまで高い性能は必要ないため、余っているグラフィックスボードを流用してもよいだろう。ただし、デスクトップ用のボードを収めるためにeGPUボックスは比較的大きく作られている。電源ボックスも重量があり、持ち歩くには不向きだ。据え置きにして使うことになるだろう。

 もう1つがコンパクトなボディーにグラフィックスボードを組み込んだ、一体型eGPUだ。中でも今回取り上げるONEXGPUは世界最小クラスのeGPUで、約196(幅)×120(奥行き)×32(高さ)mmのコンパクトなボディーにHDMI出力×2、DisplayPort出力×2だけでなく、USB4×1、USB 3.2×2、M.2×1、RJ45×1といった多彩なインタフェースを搭載している。内蔵のGPUはAMD Radeon RX 7600M XT(グラフィックスメモリは8GB GDDR6)で、ピーク時の単精度演算で21.4TFLOPSをたたき出す。

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ONEXGPUは片手で持てるサイズ。ただし、重量は869gとずっしりしている

天板には吸気口があり、デザイン上のアクセントにもなっている

底面のマグネット式カバーを外すとM.2 PCIeポートがある

側面にRJ45、DisplayPort×2、HDMI×2、OCuLink、USB Type-C、DCジャックが並ぶ

前面にはUSB 3.2 Type-A×2。3つ並ぶボタンは左から電源、Turbo、RGBライト調整ボタン。Turboボタンは消費電力の切替えに使用する(100W/120W)

 PCとの接続にはThunderbolt 3/4/USB4もしくはOCuLinkを使用するが、一般的なノートPCだとThunderbolt 3/4/USB4での接続となるだろう。まず、UEFI設定画面からPCIe over Thunderboltが利用できる状態であることを確認する。今回テストで使用したXPS13 9380の場合は以下の設定になる。

 System Configuration > Thunderbolt Adapter Configuration

 Thunderbolt:チェック(Thunderboltが有効かどうか)

 その他、「Enable Thunderbolt Boot Support(BIOSプリブート中にThunderbolt接続周辺機器を利用可能にするか)」「Enable Thunderbolt Adapter Pre-boot Modules(Thunderboltで接続したPCIeデバイスのUEFIオプションROMをプリブート中に実行できるようにするか)」もあるが、Windowsでの利用には影響はなかった。これらの設定項目はPCによって異なるため、eGPUを利用するための設定については各PCの取扱説明書を確認してもらいたい。


DELL XPS13 9380の場合はSystem Configuration > Thunderbolt Adapter ConfigurationのThunderboltにチェック

 Thunderbolt 3/4/USB4の接続であればホットプラグに対応しており、Windows起動後に接続しても問題なく認識する。ただし、ドライバが入っていない状態だとデバイスマネージャー上で「Microsoft基本ディスプレイアダプター」と認識され、正常に動作しない。AMD Radeon RX 7600M XTに対応したドライバをAMDサイトからダウンロード、インストールして再起動すれば利用可能になるはずだ。


ドライバ未インストール状態だと「Microsoft基本ディスプレイアダプター」として認識され、正常に動作しない

ドライバをインストールすればAMD Radeon RX 7600M XTとして認識される

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