税込み5万8800円で買える「10.9インチiPad(第10世代)」の実力を最新iPad Proユーザーが改めてチェックした:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(2/4 ページ)
企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。
普通に使えすぎる、優秀なiPad
iPad Proを使っているとは書きましたが、私自身はiPadにハイスペックが必要な使い方はしておらず、ごく一般的な用途でしか使っていません。Webブラウジング、メール、各種チャットツール、Officeアプリ系、Apple Pencilを使ったメモ書き、電子書籍の閲覧ぐらいです。
iPadは機動力が高いので、さっと使う軽度な作業には最適です。時間や手間がかかるような作業は最初からMacやWindowsで行います。その他、利用するとすればオンライン会議や動画視聴でしょうか。
お気付きかもしれませんが、これらの用途であれば10.9インチiPad(第10世代)でも全く問題なく利用できます。処理が重いと感じることはありません。
作業のネックになるとすれば、iPadOS固有の問題です。例えば「ウィンドウのコントロールがMacやWindowsと比べると相当劣る」「ファイルの取り扱いが独特」「キーボードにはファンクションキー(文字変換などに使いたい)がない」「外部キーボード利用時は標準のIMEしか使えない」など、全iPadに共通して引っ掛かってくる点です。
このような「iPadOS固有の問題」を除くと、私の用途であれば何ら問題ありません。しかし、これはOSレイヤー(ソフトウェア)で見た時のお話です。
なお、OSレイヤーであえて言えば、10.9インチiPad(第10世代)だとステージマネージャ(ウィンドウ表示方法の一つ)が使えないというデメリットがあります。iPadに外部ディスプレイを接続する時に気になってくるポイントですが、そもそも、そこまでするならMacBookでよいという話かもしれません。
過剰な性能面以外にも、さまざまなハードウェア的ネックがある
性能面では特には気になりません。となると、後は「どこまで快適に利用するためにハードウェアに投資するか」になります。
まずはセキュリティ機能です。10.9インチiPad(第10世代)や「iPad Air」はボタンに内蔵された指紋センサーを使います。私はタブレット以上のサイズは顔認証が基本だと思っています。というのも、スマホサイズであれば指紋認証は指を動かすレベルのお話ですが、iPadの大きさとなると「腕ごとわざわざ指紋認証しにいく」行為が必要になるためです。顔認証であれば、この問題は起こりません。
次にディスプレイです。iPad Airは使ったことがないため割愛しますが、10.9インチiPad(第10世代)とiPad Proを見比べてしまうと、その表現力に違いを感じます。リフレッシュレートの違いについても顕著です。
また、これは個人的な感覚かもしれませんが、目の疲れが10.9インチiPad(第10世代)の方が強いと感じます。昔、「iPhone 12 Pro Max」と「iPhone SE」を同時に使っていたことがありますが、この時もiPhone SEの方が疲れを感じました。
10.9インチiPad(第10世代)のディスプレイの質が悪いとは言いませんが、より良いものを知っていると“差”は分かってしまいます。しかし、ビジネス利用に致命的な影響があるかというと、そうではないでしょう。
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