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「Echo Spot(2024年発売)」はスマートスピーカーでもなければスマートディスプレイでもない! 時計利用にフォーカスした新モデルを試す山口真弘のスマートスピーカー暮らし(4/4 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、久しぶりのリニューアルを果たした「Echo Spot(2024年発売)」を見ていく。

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Echo Showから省かれた機能を知って本製品を理解する

 この他にも、本製品は従来のEcho Showなどには装備されていながら、省かれている機能がいくつかある。Echo Showの特徴が頭の中に入っている人にとっては、本製品の機能を1つ1つ見ていくよりも、むしろこれら省かれている機能を確認した方が、本製品のアウトラインを正しく理解できるだろう。それらを順にチェックしていこう。

 1つはカメラ機能だ。Echo Showといえば、本体にカメラを内蔵することでビデオ通話を行え、外出先から自宅内の様子を確認する簡易ネットワークカメラとしても利用できるのが特徴だが、本製品はカメラを搭載しておらず、こういった用途には利用できない。この他にも、ホームネットワーク上のカメラのビューアとして利用する機能もない。

 もっとも、ビデオ通話を一切使わないユーザーにとっては、カメラはプライバシー面で不安を抱かせる存在であり、それゆえAmazon自身も、カメラを物理的に覆うためのシャッターを搭載したり、アプリからの閲覧時はその旨を画面に表示したりと、かなり気を配っている様子が伺えた。カメラ自体が省かれている本製品は、そういった意味で安心だ。

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Echo Showのカメラ機能。カバーを閉じることで無効化できるが、そもそもカメラ自体が不要という人も多いはずだ

 もう1つは、ストリーミング動画の再生機能だ。Echo ShowではプライムビデオやYouTubeなど、動画配信サービスの再生が行えたが、本製品は非対応だ。ガラケー並の小さな画面であることを考えると、これは当然と言えば当然だろう。また再生中の楽曲の歌詞を表示する機能が用意されていないのも、同様の理由だと考えられる。


音楽再生にはもちろん対応する。再生中は背景にある円がぐるぐる回転するエフェクトが用意されている。歌詞表示には非対応だ

 このように省かれている機能を書き出すと、Echo Showと比べてずいぶんと機能に乏しいように感じるかもしれないが、どちらかというとエントリー向けのスマートスピーカーであるEcho Popをベースに、時計表示などに使える最小限の画面を追加した製品と見なした方が正確だろう。カメラや動画再生を求めるならば、本製品ではなくEcho Showを買えばよいだけの話だ。

使用感は快適 破格のセール価格に注目

 以上、ざっと使ってみたが、時計表示と音楽再生を中心に快適な利用が可能だ。省かれている機能はあっても、使いづらい部分はなく、購入を避けたくなるような箇所もない。中でも、筆者のようにEcho Showでのホームコンテンツの表示に辟易していたユーザーにとっては、ホームコンテンツ自体が省かれているのは歓迎すべきことだ。


標準のデザインだとフォントの線が細めだが、それゆえ暗所でもまぶしくない

2台の本製品をペアリングしてのステレオ再生も行える

 また注目すべきなのは、2024年7月のプライムデーにおける本製品のセール価格だ。本製品は標準価格こそ1万1480円とやや割高だが(個人的には1万円ちょうどくらいが妥当に感じられる)、7月16日~17日に開催されるプライムデーまでは、48%OFFの5980円という、半額に近い価格で提供される。

 これは画面のないエントリー向けのEcho Popの通常価格と同じで、とんでもない価格破壊力だ。今後のセールで同レベルの値引きが行われるとは限らないだけに、興味がある人は今回ゲットしておくべきだろう。

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