「Surface Laptop 7」を思わず自腹購入! プロイラストレーターが試して分かった満足点と懸念点:ある日のペン・ボード・ガジェット(6/6 ページ)
プロイラストレーターのrefeiaさんが、思わず購入してしまった「Surface Laptop 7」。Snapdragon搭載の新モデルをいろいろと試してみました。
まとめ
それでは、まとめていきましょう。
Surface Laptop 7は非常に良いノートPCです。ボディー/ディスプレイ/キーボード/タッチパッド/内蔵スピーカーの音質など、多くの点で高い品質を実感できるできになっており、通常ではトレードオフになりがちな性能/静粛性/バッテリー持続時間が、どれも犠牲にならず満足できるレベルにあります。所有欲を満たすできでもあり、長く頼れる性能を持っているといえます。
一方で、Arm版Windowsには長い歴史があるにも関わらず、互換性の問題は続いています。ゲームやシステムに関連するアプリ、周辺機器のドライバなどでは特にArm版を入手できないために利用しづらい状況のままです。これによって、
- ゲーム用途にはお勧めできず
- クリエイティブ用途にもお勧めできず
- オフィスや事務用途にもお勧めしづらく
- バッテリー持続時間が最優先の場合は、MacBookの方が詰まずに課題を解決する可能性が高い
と、最適なユーザーを見つけるのが難しいモデルになってしまっています。個人的には、現状のスナドラPCはWindows PCの中心ブランド(今回で言えばSurface ProやSurface Laptop)として販売される用意はまだできていないと思います。欧米のように気軽に返品できる商習慣があまりない国内市場ではなおさらです。
Copilot+については、「まだCopilot+ PCは発売されていない」と考えるのが良いと思います。目玉の「Recall」機能はリリースが撤回されていつ出るかわからない状態、それ以外の機能は、従来からあったり他所にもあったりするようなもので、洗練されているわけでもありません。
先のチャットAIのブーム以来、いろんなメーカーが良く言えば覇気にあふれ、悪く言えばsloppyというか、強引で空約束ぎみになっています。Copilot+が欲しいとしても、IntelもAMDもこれに対応できるCPUを出す予定があり、ほどなく互換性の心配をしなくていいモデルが出てくるはずです。いずれにせよ、しばらく忘れてみるぐらい、のんびりと構えて見るのが良いでしょう。
何か、レビューとして普通に書くと内容は厳しくなってしまいますね……。かといって今、自分がこのモデルを気に入っていないわけではないです。普通にボディーをなでなでしていますし、気軽な用途や出先では今後も頻繁に使っていくでしょう。
その中で不具合が直り、Arm版Windowsのエコシステムが育っていけばとても良い味。もし衰退してしまうなら……なおさら味わっておきたい味、といったところで。
すくすくと育った、Arm版Windowsを報告できる日がくるといいな。
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