レビュー

3in1 PC「ONEXPLAYER X1 mini」は遊びも仕事もこなせる“小さな巨人”だ(4/4 ページ)

One-Netbookの3in1 PC「ONEXPLAYER X1 mini」は8.8型ディスプレイ、AMD Ryzen 7 8840Uを搭載したポータブルゲーミングPCだ。外せるコントローラーやカバーキーボードなどアクセサリーも豊富。その実力を試してみた。

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ゲームプレイは?

 続いてX1 miniにコントローラーを取り付けて「Goat Simulator」や「Stray」などいくつかのゲームをプレイしてみたが、筆者が遊ぶ程度のゲームであればカクツキや遅延といった不具合が生じることはなかった。

 コントローラーを合わせると、約861gという重量級の“ポータブル”ゲーミングPCになるので、保持したままゲームプレイできるか不安であったが、コントローラーが手にフィットするからか、あまり重さを感じることはなかった。

 X1 miniの記者向け発表会で「AAAタイトルも遊べる」と伝えられていたので、ベンチマークテストを実施して確かめてみたい。

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 おなじみ「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は少し古いこともあり、AMD Ryzen 7 5700Uを搭載している「AYANEO Retro Mini PC AM01」での結果も「とても快適」だった。CPUが8840UのX1 miniであれば、間違いなく「とても快適」になるだろう。


最高品質設定で「とても快適」であった

 そこで、2024年4月14日にリリースされたばかりの「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシーベンチマーク」と、2023年3月1日リリースの「BLUE PROTOCOLベンチマーク」を試してみた。TDPの設定は「15W」とした。

 「ファイナルファンタジーXIX:黄金のレガシー」はデフォルトでグラフィックが「高品質(デスクトップPC)」になっていたので、その設定のままベンチマークテストを走らせた。その結果はスコアが4552の「普通」であった。


高品質(デスクトップPC)ではスコア4552の「普通」。デフォルト設定で普通にゲームをプレイできそうだ

 そこで「最高品質」を試してみたところ、スコア3615で「設定変更を推奨」という結果になり、キャラクターたちと一緒にしょんぼりしてしまった。


スコアは3615で「設定変更を推奨」。最高品質だと快適にプレイするのは難しそうだ

 「標準画質(デスクトップPC)」に設定してもスコアは5264の「普通」だったので「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」を快適にプレイしたいのであれば、画質設定を調整するか、思い切って外付けGPUボックスを別途用意した方が良いのかもしれない。


標準画質でもスコア5264の「普通」であった

TDPを30Wに設定して仕切り直したところ、5748と多少スコアが上がったものの、やはり「普通」だった

 次は「BLUE PROTOCOL」だ。こちらはデフォルトが「最高画質」になっていたのでそのままの設定で走らせたが、スコアは6579で「普通」と表示された。


「最高画質」のまま「BLUE PROTOCOL」を走らせたところ「普通」と表示された

 そこでグラフィック品質を少し落とし、「高画質」にしたところ、スコア8426の「快適」と判定された。


「高画質」での判定は「快適」であった

 その他、容量1TBのストレージがPCI Express 4.0 ×4対応のSSDということで読み書きの速度がどれくらいなのか気になり、「CrystaldiskMark 8.0.5 x64」(ひよひよ氏作)を使って計測した。TPDは15W、テストは5回行い、その平均値を取った。

 その結果、読み書きともに高速で、読み出し速度の平均は毎秒7102.76MB、書き込み速度の平均は毎秒6699.83MBであった。ちなみに、最高値は読み出し速度が毎秒7106.27MB、書き込み速度は毎秒6726.98MBだった。


「CrystaldiskMark 8.0.5 x64」でテストした最高値は、読み出し速度が毎秒7106.27MBと十分に高速だ

 CPUの性能を測る「Cinebench 2024」も試した。こちらはCPUのTDPを30Wに、ファンの回転数も性能を引き出す設定にしたところ、CPUスコアがマルチコアで777pts、シングルコアで98ptsというスコアにだった。ちなみにTDPを15Wにすると、マルチコアで427、シングルコアで84となった。


左はマルチコアの結果、右はシングルコアのテスト結果

 また、X1 miniにはOCuLink端子という希望がある。グラフィックスの性能を上げたいと本気で考えるようになったときに、本体そのものを買い替えることなく、また改造することなく外付けGPUボックスなどを追加しさえすればそれがかなうからだ(それなりに手間はかかるが)。

 最後に、3Dグラフィックスの描画性能を測定する「3DMark」で検証しよう。3DMarkでも新しいテストが追加されており、今回使用したのは2024年5月にリリースされた「Steel Nomad」だ。果たして、高負荷のかかるテストに耐えられるのだろうか。


リリースされたばかりの「3DMark Steel Nomad」でテスト。鉄製の衣装に身を包んだキャラクターが主人公(?)のようだ

 5階計測したスコアの平均値は487でフレームレートは4.88FPS。最高ではそれぞれ541と5.41FPSとなり、「Excellent」という評価であった。


3DMark Steel Nomadでの最高スコア

 拡張性もそれなりに備え、仕事にも遊びにも使える異色の3in1 PC X1 mini。本機の価格は15万円を超えてしまうが、自宅でも出先でもこの1台に作業を集約できるだけのポテンシャルがありそうだと感じた。

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