レビュー

動画視聴にベストと思いきやTVの「ワイヤレス視聴」でハマった――Armベースの「Surface Pro(第11世代)」実用レビュー【第2回】(3/3 ページ)

筆者の日常に溶け込みつつある、日本マイクロソフトの「Surface Pro(第11世代)」。しかし、Armアーキテクチャベースであるがゆえの困難に再びぶつかってしまった。それは「自宅のTVチューナーを介した番組のワイヤレス視聴」だ。

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ストアアプリで夢を見れるか?

 PC TV Plusがダメなら、Microsoft Storeを介して配信されている「DiXiM Play U」ならどうだろうか。

 Microsoft Storeで配信されているアプリは、Armアーキテクチャにも対応するものが比較的多いという印象がある。DiXiM Play Uのストアページでも「この製品は、お使いのデバイスで動作します」と出ていた。これは“行ける”のでは……?


Microsoft Storeでは「動作します」と出ている

 わらをもつかむ思いでDiXiM Play Uをインストールし、起動する。自宅ネットワーク内にあるSTB/チューナーを見事認識した。STB/チューナーをタップすると、リアルタイム視聴を含む各種コンテンツを確認できた。

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DiXiM Play Uが、見事にSTB/チューナーを認識している

 リアルタイム視聴の番組を選び、タップする。先ほどのPC TV Plusと同様にバッファリングを行うような挙動を見せた……と思ったら「再生できないコンテンツです」というエラーが出て、やはり表示できなかった。

 挙動を見る限り、本アプリもデータ伝送時の著作権保護に関する処理が行えなかったと思われる。


うそだー、うそだと言ってくれー

DiXiM Play UのWindows版動作要件では、Armアーキテクチャ非対応がキッチリと明記されている

良いディスプレイとスピーカーがあるのに……

 このように、現状のSurface Pro(第11世代)、もっといえばArm版Windows 11搭載PCを使って自宅ネットワーク内にあるSTBやTVチューナーの映像を楽しむことは、現状では事実上不可能だ。DTCP-IP対応DNLAクライアントアプリを作っている開発者がArmアーキテクチャに対応してくれればいいだけの話なのだが、Intelアーキテクチャと比べると普及台数の少ないArmアーキテクチャのWindows PCのためにそこまでやってくれるか、というとなかなか難しい面もある。

 一方で、Webブラウザや専用アプリを介したネット動画視聴は非常に快適だ。ネイティブアプリも用意されているAmazon Prime Videoは、非常にサクサクと動くし、視聴体験も申し分ない。Surface Pro(第11世代)は、間違いなく動画や音楽を楽しむ上で、最良のデバイスの1つといえる。

 それだけに、STB/チューナーにとりためた録画番組を楽しめないのは非常に残念である。開発者でこの記事をご覧になった方、Armアーキテクチャへの対応も検討してもらえませんか……?


 Surface Pro(第11世代)のレビューは、不定期で続けていく。何か話題があり次第掲載するので、楽しみにしていてほしい。

機材協力:日本マイクロソフト株式会社

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