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パッと見同じだけど、今までのノリで使おうとしたら文字入力で“困った”――Armベースの「Surface Pro(第11世代)」実用レビュー【第1回】(1/3 ページ)

Microsoftの「Surface Pro」「Surface Laptop」の最新モデルは、AI処理機能を強化する観点からArmアーキテクチャベースのSoC「Snapdragon Xシリーズ」を採用している。ArmベースのWindowsは、実用面で問題はないのか――長期間に渡ってレビューすることになった……のだが、いきなり問題にぶち当たったのでご報告したい。

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 日本マイクロソフトが6月18日に発売した個人向けの「Surface Pro(第11世代)」と「Surface Laptop(第7世代)」は、AIに関する処理性能を強化した「Copilot+ PC」の初号機として登場した。

 同社はプロモーションであまり言及していないが、両モデルはArmアーキテクチャベースのCPUコアを備えるSoC「Snapdragon X Plus」「Snapdragon X Elite」を搭載している。Armアーキテクチャは、従来のWindows PCで広く使われてきたIntel(x86)アーキテクチャのCPUとは命令体系が異なるため、アプリはArmネイティブのものか、エミュレーションを介してIntelアーキテクチャのものを使う必要がある。

 Copilot+ PCには興味があるものの、Armアーキテクチャゆえにアプリがしっかり動くかどうか不安で踏ん切りが付かない――そんな筆者のもとに、日本マイクロソフトから「Surface Pro(第11世代)かSurface Laptop(第7世代)を使ってみませんか?」という誘いがあった。ちょうど良いタイミングだったので、同社の誘いに乗ってSurface Pro(第11世代)を長期間レビューすることにした。

 今回は、レビューするSurface Pro(第11世代)の概要と、普段通りに使おうとしていきなり“困った”話をしようと思う。

Surface Pro(第11世代)
筆者がレビューする「Surface Pro(第11世代)」

レビューする「Surface Pro(第11世代)」の概要

 長期レビューするSurface Pro(第11世代)は、発売時点における最上位構成だ。Microsoft Store(直販サイト)における販売価格は39万4680円となっている。具体的な仕様は以下の通りとなる。

  • SoC:Snapdragon X Elite X1E-80-100
  • メモリ:32GB(LPDDR5X-8448規格)
  • ストレージ:1TB SSD(PCI Express 4.0接続)
  • ディスプレイ:13型有機EL(2880×1920ピクセル/最大120Hz駆動/HDR対応)
  • ポート類:USB4×2、Surface Connect(電源入力兼用)
  • 無線通信:Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)/Bluetooth 5.4
  • OS:Windows 11 Home(バージョン24H2)

 SoCのSnapdragon X Elite X1E-80-100は、「Snapdragon X Elite」の上から2つ目のモデルだ。CPUコアは最大3.8GHz駆動で、2コア限定で4.2GHzまでブーストできる。GPUはコアQualcomm独自の「Adreno」で、DirectX 12をサポートする。目玉のNPU(ニューラルプロセッサ)はQualcomm独自の「Hexagon」で、ピーク時の処理性能は45TOPS(毎秒45兆処理)だ。

Arm版
Armネイティブの「CPU-Z」でSnapdragon X Elite X1E-80-100の情報をチェック。一般的なスマートフォン/タブレット向けSoCで使われるArmアーキテクチャのCPUコアとは異なり、全てがPコア(パフォーマンスコア)となっていることが特徴で、8基のコアのうち2基(画像中「Performance #2」となっているコア)は、他の6基より高いクロックでの稼働に対応している
メモリモジュール
CPU-Zによると、メモリモジュールはMicron製のようだ

 SSDはM.2のType 2230(幅22×長さ30mm)で、モジュールの入手性はさておき、ユーザーでも比較的簡単に交換できる構造だ。ただし、公式には認定技術者による交換が必要とされている。自分で交換するのは“自己責任”となるので注意しよう。

 2基のUSB4端子は、USB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応している。3.5mmイヤフォン/マイクジャックは備えないので、音声を有線で出力したい場合はUSBオーディオデバイスを用意する必要がある。

SSDスロット
SSDスロットは、背面のスタンドを持ち上げ、ふたのへこみを押すとすぐにアクセスできる。こんなに簡単にアクセスできて大丈夫なのだろうか……?
SSDはサムスン製
Arm版の「CrystalDiskInfo 9.3.2」によると、本機のSSDモジュールはSamsung Electronics(サムスン電子)製の「MZ9L41T0HBLB-00BMV」というものだった。PM9B1シリーズのType 2230/1TBモデル(MZVL41T0HBLB-00B07)と近似のスペックを備えているようだ
USB4対応
本機のUSB Type-C端子はUSB4 Version 1.0に準拠している。Windowsの「設定」では、USB4対応機器をつながないとポートの情報が出てこないようだ

 OSはWindows 11 Homeをプリインストールしているのだが、一般向けにはまだリリースされていない「バージョン24H2」となっている。これはArmアーキテクチャのCopilot+ PC向けの“先行リリース”という位置付けのようで、Snapdragon X Plus/Eliteを搭載する現行のCopilot+ PCは、全てこのバージョンが初期搭載される。

バージョン24H2
Snapdragon X Plus/Eliteを搭載する現行のCopilot+ PCでは、一般向けにはまだリリースされていない「Windows 11 バージョン24H2」がプリインストールされている

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