Armベースに完全移行した新型「Surface Pro/Laptop」が登場 45TOPS実現の「Snapdragon X」でAI PC体験を強化 約8万円の上位純正キーボードも(1/2 ページ)
Surfaceシリーズが「Copilot+ PC」として久々の大変革を体現する製品に刷新された。
米Microsoftは5月20日(現地時間)、米Qualcommの最新SoC「Snapdragon X」シリーズを搭載したArmベースの新型「Surface Pro」「Surface Laptop」を発表した。全世界で6月18日に発売する。日本での価格はいずれも20万7680円(税込み、以下同)から。
Qualcommが次世代AI PC向けとして4月に発表していた「Snapdragon X Plus/Elite」をSoCに搭載しており、全モデルがArmベースになった。同SoCは、1秒間に45兆回以上の演算を行える「45TOPS」の処理性能を持つNPU(Neural network Processing Unit)「Hexagon」を内蔵しており、“AI PC”としてローカル環境における生成AI処理の大幅な強化を図っている。
2020年にいち早くArmベースの自社開発チップを採用した米Appleの「MacBook」シリーズは省電力やパフォーマンスで高い評価を受けているが、ようやくWindowsノートPCも本格的に対抗できる土俵に立ち始めたといえるだろう。
OLEDモデルも選べる「第11世代 Surface Pro」
新しいSurface Proは、製品名において従来のナンバリングが廃止され「第11世代 Surface Pro」と表記する。同製品はこれまでの2in1スタイルを踏襲しており、本体背面には165度まで開く独自のキックスタンドを搭載している。
Snapdragon X Plus/Eliteを搭載することで、パフォーマンスは従来モデルと比べて最大90%高速化したという。グラフィックスは内蔵の「Qualcomm Adreno GPU」、メモリ(LPDDR5x)は16GB/32GB、ストレージ(Gen4 SSD)は256GB/512GB/1TBから選択できる。
バッテリー駆動時間はオフラインビデオ再生が最大14時間、Webブラウジングが最大10時間(Wi-Fiモデルの場合)となっている。従来製品のバッテリー駆動時間は「実際はカタログ表記の半分程度」というのが通説だったが、Armベースなら実態に即した駆動時間そして期待できそうだ。
タッチ&ペン入力対応のディスプレイは13型(3:2の2880×1920ピクセル、267PPI、リフレッシュレート最大120Hz)で、通常の液晶(LCD、コントラスト比1200:1)に加えて有機EL(OLED、コントラスト比1000:1)も選択できるようになった。ただし、OLEDモデルを選択すると価格は29万5680円スタートとなる。
本体サイズは287(幅)×208(奥行き)×9.3(高さ)mm、重さ895g(キーボードを含まない)。カラーバリエーションはサファイア、デューン、ブラック、プラチナ。
インタフェースはUSB4(Type-C、映像出力、充電に対応)×2基、Surface Connect(充電)、Surface Pro キーボード専用ポート、Nano SIMスロット(5G対応モデルのみ)などを備えている。ワイヤレス機能はWi-Fi 7とBluetooth 5.4、内蔵カメラは最大4K、Windows Helloによる顔認証にも対応している。
5G対応モデルは2024年後半に遅れて発売する。
キーボードは従来の「Surface Pro キーボード」(2万4090円)や「スリムペン付きSurface Pro キーボード」(4万5320円)が使える他、新製品として「Surface Pro Flex キーボード」(スリムペン付きで8万80円)が登場した。
Surface Pro Flex キーボードはSurface Pro本体から取り外した状態でも使える。特徴としてキータイプの静音性を高めたという。純正のスリムペンも内蔵できる。
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