「iPhone 16」がiPhone新時代の幕を開く 試して分かった大きな違い(1/4 ページ)
日本で人気のスマートフォン「iPhone」の最新モデルが、9月20日から発売される。iPhone 16シリーズとiPhone 16 Proシリーズを使った林信行氏が、最新モデルを勧める理由とは?
毎年新しくなる「iPhone」――変化が小さい年もあれば、大きい年もあるが、今回発表された「iPhone 16」「16 Plus」「16 Pro」「16 Pro Max」の4モデルは、大きく飛躍した製品だ。
iPhoneは毎年、新モデル発表と同時に過去2年間の標準モデルが価格を下げて継続販売されるが、近々iPhoneの買い替え予定がある人は少し価格面で無理をしてでも、16番台以降の製品を買ってほしいと思う。記事の最後で触れるが、このモデルを境にiPhoneでできることが根本から変わってしまうからだ。
2025年以降、15番台以前のモデルは急速にできないことが増えて陳腐化してしまう。これに対して16番台以降は高くてもその分、長く最新技術の恩恵を受けられるはずだ。
もっとも16番台のiPhoneは、そういった不確かな将来性だけでなく、新しい撮影スタイルを可能にする「カメラコントロール」の採用や、オーディオ関連の新技術など見所が満載の新製品になっている。
いち早く全モデルを試す機会を得たので、早速検証してみたい。
鮮やかなカラバリの標準モデル 画面が少し大きくなったProモデル
標準モデルとなる6.1型のiPhone 16と、6.7型と画面の大きなiPhone 16 Plusだが、 最初に感じるのは鮮やかな製品カラーバリエーションの魅力だ。これまで新モデルが出るたびにiPhoneの本体色は薄くなっていく傾向があったが、今回はそこから一転して、ビビッドで鮮やかな印象を与えるピンク/ティール(緑系)/ウルトラマリン(青系)などのモデルや、ひときわ明るいホワイトのモデルが用意された。
そういったビビッドさが好みに合わない人に配慮したのか、ツヤ消し仕上げでかなり落ち着いた印象のブラックモデルを加えた計5色のカラーバリエーションが用意されている。
その鮮やかな背面に用意されるカメラレンズの並びも変更になった。これまでは正方形に近いプレート(起伏部)の上に2基のレンズを斜めに配置していたが、今回からは縦一列になり、それに合わせてプレートも小さくなり、より引き締まった印象を与える。
レンズの再配置は空間ビデオ、空間写真撮影のためで、本体を横に構えた時、水平に並ぶ2つのレンズが人間の左右それぞれの目の役割を果たすことになる。
進化したのは背面だけでない。肉眼では分からないがディスプレイの上にコーティングされたCeramic Shieldと呼ばれるディスプレイ保護層も新しくなり、ディスプレイそのものと比べて2倍の頑丈さ、業界の他のシールドと比べても50%以上頑丈という安心感を付与してくれる。
それに加えて側面にも変化が加わった。ディスプレイの左側、音量ボタンの上のサイレントスイッチがあった位置がボタンに切り替わったのだ。
iPhone 15 Proシリーズにも採用されていたアクションボタンというもので、消音や懐中電灯、iPhoneを虫眼鏡として使う機能など、ユーザーがよく使う機能を割り当てておいて一発で呼び出すためのボタンになっている。最近のiOSで、カレンダーに入力した予定情報などに基づいて自動的に本体をサイレントモードに切り替える「集中モード」が加わり、以前ほどサイレントモードを使う機会が増えたことから行われた仕様変更だ。
だが、新製品の1番の目玉はディスプレイ右側にある。16番台のiPhoneから初搭載されるカメラ操作用のセンサー、カメラコントロールだ。
この機能については、後でしっかりと検証をしたい。
左側奥がiPhone 16 ウルトラマリン、手前がiPhone 16 Plus ブラック。右側奥がiPhone 16 Pro デザートチタニウム、手前がiPhone 16 Pro Max デザートチタニウムとなる。左側面にはアクションボタン、音量の上げ/下げのボタンとSIMスロットが、右側面はスリープボタンとカメラコントロールがある(ブラックモデルだと分かりづらいので、iPhone 16 Proの側面で確認してもらいたい)
その前に、上位モデルとなる6.3型のiPhone 16 Proと、6.9型と大きなiPhone 16 Pro Maxの外観も振り返ってみよう。一見するとiPhone 15 Pro/15 Pro Maxとは、カメラコントロールの追加以外に変化がないように見える16 Pro/16 Pro Maxだが、実は画面も本体も少しだけ大きくなっている。
16 Proの3辺は約71.5(幅)×149.6(奥行き)×8.25(厚さ)mmで、厚さは従来と同じだが、縦/横がそれぞれ約3mm/約0.1mm大きくなり、重さも12g増えた約199gになった。
16 Pro Maxは約77.6(幅)×163(奥行き)×8.25(厚さ)mmで、やはり厚さは共通のまま、縦/横が約3.1mm/約0.9mm大きくなっていて、重さも6g増加した約227gになった。
もちろん、画面解像度も少し上がって16 Proが2622×1206ピクセル(460ppi)、16 Pro Maxが2868×1320ピクセル(460ppi)となっている。
Proモデルからは、可能なら少しでも画面を大きくしようというAppleの執念が伝わってくる。
本体の素材は15 Proと同じで、宇宙工学でも使われているグレード5のチタニウムだ。カラーバリエーションは4種類でブラックチタニウム、ホワイトチタニウムと人気のナチュラルチタニウムはそのままだが、青系のブルーチタニウムに代わって、ややピンクみを帯びた新色「デザートチタニウム」が用意された。かつてのiPhone Proモデルのローズゴールドを思わせる色だ。
こちらは、おなじみの正方形のプレートに配置された3眼レンズを継承する。それだけに、本体サイズが変わったのに、一見しただけではiPhone 15 Proシリーズと区別がつかない。
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