レビュー

Intel×AMD×Qualcomm対決! 3プラットフォームの14型AI PC(Copilot+ PC)をテスト 比べて分かった違い(3/3 ページ)

日本HPのAI PC3モデル(Intel/AMD/Qualcomm)を用意し、ベンチマークテストでそれぞれの得手不得手をチェックした。

前のページへ |       

DirectXベースのゲームではIntelが強い

 3D描画性能の定番テストである3DMarkのスコアは、Intel機とAMD機がほぼ互角だが、若干Intel機が優勢だ。QualcommのSnapdragon X Eliteの内蔵GPU(Adreno)はDirectX 12対応なので描画に関しては、SSE3に非対応という理由でTime Spyのテストを実行できなかった。

 FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシーベンチマークではIntel機が強く、3モデルの中で唯一「快適」評価に相当するスコアだ。AMD機とQualcomm機は「やや快適」評価にとどまる。


3DMarkは、Direct Xベースで開発された独自のゲームシーンを描画し、グラフィックス性能を計測する定番テスト

3DMarkのスコア比較

FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシーベンチマークのスコア比較。3モデルともアスペクト比が16:10のため、テスト解像度は1920×1200ピクセルで行った

オフィス、ビジネス性能ではIntelとAMD機がほぼ互角

 PCの総合的な性能を計測する定番ベンチマークテストとして、PCMark 10を実行した。標準テストは、ArmアーキテクチャのQualcomm機では実行できないので、Intel機とAMD機のスコアのみだ。

advertisement

 どちらもCPU内蔵GPUモデルとしては相当な高水準だが、動画エンコードなどクリエイティブ系のテストを含むDigital Content Creation(コンテンツ制作)でマルチスレッド性能に優れるAMD機が強く、その影響で総合スコアでもAMD機が上回っている。

 Qualcomm機も含めたテストとしては、Microsoft Officeを利用するPCMark 10 Applicationsを実行した。Microsoft OfficeはArmネイティブ対応(x86/x64アプリとの相互運用も可能なArm64EC対応)しているため、Qualcomm機も本来のパフォーマンスが発揮できるが、結果はAMD機がトップとなり小差でIntel機が続き、Qualcomm機は少し見劣るスコアになった。

 WebベースのベンチマークテストであるWebXPRT 4も実行してみた。ブラウザはGoogle Chromeを利用し、Qualcomm機ではArmネイティブ版を使っている。結果はわずかながらIntel機がトップで、僅差でAMD機、Qualcomm機は大きく離された。Organize Album Using AI(AIを利用したアルバム整理)の項目での差が目立つ。このテストは、画像処理、画像処理のためのライブラリー「OpenCV」をJavaScriptで実行可能にした「OpenCV.js」を利用している。


PCMark 10は、PCの総合的な性能を計測する定番ベンチマークテストだ

PCMark 10のスコア比較。ArmベースのCPUコアを統合するQualcomm機では実行できないため、Intel機とAMD機のみの比較だ。動画エンコードなどを含むDigital Content Creation(コンテンツ制作)でAMD機が強い

Microsoft Officeを利用するPCMark 10 Applicationsのスコア比較。Microsoft OfficeはArmネイティブ対応だが、Qualcomm機は一歩引く結果だ

HTML5/JavaScript/WASMを含むWebXPRT 4(Google Chrome)のスコア比較。ブラウザのChromeはArmネイティブ対応だが、Qualcomm機はIntel、AMD機に差を付けられている

WebXPRT 4の項目別グラフ

 次回は、バッテリー駆動時間や動作音の比較、AI PCがもたらす体験などをまとめて総括する。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.