「DisplayPort 2.1」が2025年春にアップデート 最大80Gbps伝送できるケーブルの長さが最大3mに:CES 2025
VESAが、映像伝送規格「DisplayPort 2.1」にさらなるマイナーバージョンアップを施す。最大80Gbpsの伝送に対応するケーブルにアクティブタイプを追加することで、ケーブルの長さを最大3倍(3m)とし、機器の設置の自由度を高める。
VESA(Video Electronics Standards Association)は1月6日(米国太平洋時間)、映像伝送規格「DisplayPort 2.1b」を2025年春をめどに公表することを明らかにした。本規格では、新たな伝送ケーブルとして「DP80LL(DP80 Low Less)」が定義されるという。DP80LLケーブルは、今後数カ月以内に出荷が始まる予定だ。
DisplayPort 2.1bの概要
DisplayPort 2.1bは、2022年10月に発表された「DisplayPort 2.1」、2024年1月に発表された「DisplayPort 2.1a」のマイナーバージョンアップ規格となる。
今回のバージョンアップでは、最大80Gbps(20Gbps×4レーン)の伝送に対応する「DP80ケーブル」のバリエーションとしてDP80LLケーブルが登場する。
DisplayPort 2.1においてフルスペックの映像伝送を行うにはDP80ケーブルが必要だが、現行のDP80ケーブルは最長で1mとなっているため、映像出力デバイス(PC)と入力デバイス(ディスプレイ)を至近距離に置かなければならない。
そこでDP80LLケーブルはケーブル自身に回路を組み込む「アクティブケーブル」とし、名前の通り減衰を極力抑えることでケーブルを最長3mとしている。VESAは「DP80LLケーブルによって、DisplayPort 2.1におけるUHBR20の利点を最大限活用できる」としている。
なお、DP80LLケーブルを含むDisplayPort 2.1bの規格策定において、VESAはNVIDIAと協力したという。NVIDIAが1月末から順次発売する新型GPU「GeForce RTX 50シリーズ」では、本規格に準拠するDisplayPort出力を備えている。
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