弥生が中小企業を支援する「弥生会計 Next」を正式リリース クラウドベースでサービス連携による処理の自動化を推進(1/3 ページ)
弥生の法人向け会計アプリ「弥生会計」のクラウド版が正式リリースされた。クラウド化によりサービスとの連携で会計業務の自動処理がしやすくなったことが特徴だ。先行してクラウド化された「弥生給与」にも大幅アップデートが実施された。
弥生は4月8日、法人向けクラウド会計サービス「弥生会計 Next」を正式リリースした。利用料金は月額3480円/年額3万4800円(税別:以下同)からで、最大3カ月間の無料体験も用意している。
また同社は同日、2023年10月に先行リリースした「弥生給与 Next」の大幅アップデートを実施した。利用料金は月額900円/年額9000円からだ。
弥生会計 Nextの正式サービス化と弥生給与 Nextの大幅アップデートに合わせて、弥生は東京都内で記者説明会を開催した。説明会には武藤健一郎社長兼CEOと、開発責任者の広沢義和氏(次世代本部 次世代戦略部)が登壇し、各製品についてプレゼンテーションを行った。
中小企業間の「デジタルディバイド」をなくしたい
中小企業庁がまとめた「中小企業白書 2024年版」によると、日本の企業のうち「中小企業」は総数の99.7%を占めているという。中小企業は、日本経済の低迷と労働人口の減少、事業環境の変化に伴う経営舵取りの困難化、デジタル化の遅れといった課題を抱えている。
武藤社長は「(中小企業化が)デジタル化しにくい要因の1つは、(デジタル化の)コストが高く、導入しづらいところにある」と述べる。その上で「(従業員数が少ないからこそ)最もデジタル化を必要とする中小企業においてデジタル化が進まないと『デジタルディバイド』、つまりテクノロジー活用の格差が広がり、売上を始めとする経営指標にも差が生まれ、その差がどんどん深刻になっていく」と警鐘を鳴らす。
業務ソフトウェアでシェア71.4%、登録ユーザー数350万以上など、日本で最も中小企業のバックオフィス業務を理解している弥生だからこそ、この課題に真剣に取り組むべきだ――そこで掲げた新しいスローガンが「この社会に、挑戦の循環を。」だ。
中小企業を元気にすることで、日本の経済や社会の好循環につなげていきたいという。
2023年に誕生した「弥生 Next」は、中小企業の継続的な成長に寄与することを目指した、クラウドベースの製品(サービス)向けの新ブランドだ。
「バックオフィス業務ゼロの実現、データの利活用、それにより会社の意思決定をする際のパートナーになるというコンセプトを掲げている。弥生会計も“次へ”という意味を込め、『弥生会計 Next』をリリースした」と武藤社長は語る。
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