「5月のセキュリティ更新」を適用したWindows 11の旧バージョンが起動できなくなる可能性 大半は「特定の仮想マシン」で発生
Windows 11の旧バージョン(バージョン22H2/23H2)に5月のセキュリティ更新を適用すると、起動できなくなることがある不具合が報告されている。ただし、特定の仮想マシン(VM)上で発生する事例がほとんどで、物理的なPCで直接起動しているとあまり発生しないという。
Microsoftは5月28日(米国太平洋夏時間、以下同)、Windows 11の旧バージョン(バージョン22H2/23H2)向けに配信した5月のセキュリティ更新(KB5058405)について、一部の環境において適用に失敗し、「ACPI.sys」を読み込めずに起動できなくなる恐れがあることを明らかにした。本事象は大半が特定の仮想マシン(VM)上で稼働している場合に観測されており、物理的なPCから直接起動している場合に発生することはあまりないという。
本事象が多く観測されているVMは以下の通りだ。
- Azure Virtual Machines
- Azure Virtual Desktop
- 実PC上で稼働する「Citrix」または「Hyper-V」
問題を起こしているACPI.sysは、PCの電力管理規格「ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)」の制御用デバイスドライバで、Windows OSの標準ドライバの中でも重要度が高い。Microsoftによると、環境によってはACPI.sys以外のデバイスドライバを読み出せずにエラーを起こす事象も確認されているという。
本事象が発生してしまった場合、Azure Virtual Machines/Azure Virtual Desktopでは修復コマンドを使うことで復旧できる可能性がある。
Microsoftでは本事象の解決に取り組んでおり、近日中に臨時アップデートを配信する予定だ。
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