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「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2025年5月16日現在】

Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)が一般リリースされてしばらく経過したが、「既知の不具合」がいまだに報告されている。今回は2025年5月16日時点の情報をお伝えする。

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 Microsoftが2024年10月1日(米国太平洋時間、以下同)から順次配信している最新のOSアップデート「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」だが、本バージョンの導入によって不具合が発生する可能性がある環境では、「セーフガードホールド」と呼ばれる機能でアップデートの配信が見送られている場合がある。

 この記事では、Windows 11 2024 Updateにおいて2025年5月16日時点における既知の問題の情報をまとめる。なお、2025年4月10日時点の情報については別の記事で紹介している。

 今回は、過去のバージョンのWindowsで新たに発生した既知の問題についても紹介する。

最新バージョン
Windows 11 2024 Updateの一般向け最新ビルドは「26000.4061」となる

壁紙カスタイマイズアプリがうまく動かない(ホールド解除開始)

 本バージョンがリリースされた当初から、一部の壁紙カスタマイズアプリが正常に起動しなかったり、想定通りに動かなかったりすることが確認されている。そのため、問題を起こしうるアプリをインストールしている場合にセーフガードホールドによるアップグレードの抑止が図られていた。

 本件についてアプリ側での対処が進んできたことから、Microsoftは順次セーフガードホールドの解除を進めている。ただし、全てのアプリで解除されているわけではないため、必要に応じてアプリ開発者に対応状況を問い合わせてほしい。

「Safe Exam Browser」が起動できない(解消)

 本バージョンがリリースされた当初から、オープンソースアプリ「Safe Exam Browser(SEB)」のバージョン3.7以前が起動できなくなるという問題が確認されている。そのため、バージョン3.7までのSEBがインストールされている場合にセーフガードホールドによるアップグレードの抑止が図られていた。

 本件について、開発元が「バージョン3.8」において問題を解消したため、同バージョン以降に更新したPCについては順次セーフガードホールドを解除している。ただし、バージョンアップ後にセーフガードが解除されるまでに最大48時間を要する場合があるので注意が必要だ(再起動をすることで、時間が短縮される場合がある)。

「Azure Virtual Desktop」でアプリが起動できない(暫定策あり)

 Microsoftが提供する仮想デスクトップサービス「Azure Virtual Desktop(AVD)」で稼働しているWindows 11を本バージョンにアップグレードすると、App Attach(※1)でマウントしているアプリが「要素が見つかりません」というエラーメッセージを出して起動できないことある

 この問題は、App Attachで据え付けているアプリが「CimFS(Composite Image File System)」形式でパッケージングされていると発生することが確認されている。現状の暫定解決策としては、アプリを「VHDX(Virtual Hard Disk Version 2)」形式でパッケージングするというものがある。

 Microsoftでは現在、この問題を抜本的に解決するための対応を進めている。

(※1)AVDで稼働する仮想マシン(VM)のOSに対して、アプリを直接インストールせずに稼働させる仕組み

法人のPCで本バージョンにアップグレードできない(解消)

 Windows 11の過去バージョン(バージョン22H2/23H2)で稼働している一定条件を満たす法人向けPCについて、2025年4月8日のセキュリティ更新プログラム(KB5055528)以降の更新プログラムを適用すると本バージョンへのアップグレードができなくなる問題が発生していた。

 本件については、5月13日に公開されたセキュリティ更新プログラム(KB5058405)において解消した。

過去バージョンの2024年8月更新がLinuxとのデュアルブートに支障(解消)

 以下の過去バージョンのWindows 10/11において、2024年8月の更新プログラム(KB5041585)を適用するとLinuxとのデュアルブート環境において起動時に「Verifying shim SBAT data failed: Security Policy Violation.」「Something has gone seriously wrong: SBAT self-check failed: Security Policy Violation.」の2文が出てLinuxを起動できなくなることがある問題が発生した。

  • Windows 10(バージョン22H2まで)
  • Windows 10 Enterprise 2015 LTSB
  • Windows 11(バージョン23H2まで)
  • Windows Server 2012(R2も含む)
  • Windows Server 2016
  • Windows Server 2019
  • Windows Server 2022

 当該更新プログラムでは、「Secure Boot Advanced Targeting(SBAT)」の更新が含まれている。SBATは古くて脆弱(ぜいじゃく)なブートマネージャー(OSの起動プログラム)をブロックすることでセキュリティを向上する仕組みだ。

 本来、この更新プログラムはデュアルブート環境を検出するとSBATの更新をスキップするようになっていた。しかし、一部のLinuxブートマネージャーが検出されず、誤ってSBATが更新され、結果としてLinuxが起動できなくなってしまうことがあるという。

 この問題を受けて、当該バージョンのWindowsでは2024年9月以降の更新プログラムでSBATの更新を保留する暫定措置を取っていたが(※2)、5月13日に公開された更新プログラム(KB5058405)において問題を解消した。

(※2)Windowsのみをインストールしている環境では、レジストリ操作でSBATの更新を適用できた。また、この問題が発生したデュアルブート環境でも、いったんセキュアブートを無効化した上でLinuxを起動してターミナルからSBATを無効化し、セキュアブートを再有効化してからWindowsを起動してレジストリ操作でSBATの更新を無効化するという措置を取ることができた

Linux
過去バージョンのWindowsとLinuxとのデュアルブート問題が、最終解決に至った

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