ArmがGPUの「ニューラルアクセラレーター」を2026年に追加 作業負荷を最大50%削減可能
Armは、スマートフォン/タブレット向けSoCに内蔵するGPUコアに専用の「ニューラルアクセラレーター」を搭載する方針を明らかにした。これにより、グラフィックスレンダリングのパフォーマンスが大幅に向上し、モバイルコンテンツの表示にかかるシステム負荷を最大50%削減できるという。
Armは8月13日、米国のコンピューター学会が主催する「SIGGRAPH(シーグラフ)」において、業界初をうたうニューラルテクノロジーを発表した。
本テクノロジーでは、スマートフォン/タブレット向けSoCに搭載するGPUコアに、2026年をめどに専用の「ニューラルアクセラレーター」を追加することで、グラフィックスレンダリングのパフォーマンスを大幅に向上し、モバイルコンテンツの表示にかかる負荷を最大50%削減できるとしている。
併せて、AIを活用した描画(いわゆる「AIレンダリング」)を既存のワークフローに統合し、ハードウェアの提供に先駆けて1年早く開発を開始できるよう設計された開発キットをオープンに提供する。開発キットは、Enduring Games、Epic Games (Unreal Engine)、NetEase Games、Sumo Digital、Tencent Games、Traverse Researchなどが対応を予定している。
ニューラルテクノロジー向けオープン開発キットの内容
- Unreal Engine用プラグイン
- PC上で動作するVulkanエミュレーション
- 更新されたプロファイリングツール
- GitHubとHugging Faceで入手可能な公開済みオープンモデル
- Vulkan用のArm ML拡張機能
この開発キットのすべての要素を活用して動作するのが、ArmのAIベースのグラフィックスアップスケーリングエンジン「Neural Super Sampling(NSS)」となる。540pから1080pへのアップスケーリングをフレームあたり4ミリ秒で実現し、このリソースをゲーム全体の消費電力の削減に回す、フレームレートやビジュアル品質の向上に活用することも可能としている。
この他、同社は2026年にAIを活用してレンダリング負荷を増やすことなくフレームレートを倍増させる「Neural Frame Rate Upscaling」、ピクセルあたりのレイ数を削減しながらモバイルでリアルタイムパストレーシングを実現する「Neural Super Sampling and Denoising」の提供も予定する。
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