大阪・関西万博のレガシーを生かす! 廃棄率1%未満を目指す「ノモの国」 パナソニックがリサイクル/リユースにこだわる理由:大阪・関西万博(1/2 ページ)
10月13日に閉幕する大阪・関西万博だが、パナソニックのパビリオン「ノモの国」では建築物を対象にリサイクル率とリユース率を合わせて、重量ベースで99%以上を目指すという。
パナソニック ホールディングスが、大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」の建築物を対象に、リサイクル率とリユース率を合わせて重量ベースで99%以上を目指し、廃棄率を1%未満に抑える計画を発表した。
ノモの国の建築物に使用しているリサイクル鉄や銅、ファサードフレーム、外構の舗装ブロックなどの建築部材の再利用および再資源化の徹底を図り、廃棄物の最小化を目指す。
2025年日本国際博覧会協会では、会場全体で98.1%のリサイクル率の達成を目指しているが、パナソニックグループでは、リサイクル率だけで98.9%となり、同協会の水準を上回ることになる。
企画段階から「循環」をテーマにしたパビリオン「ノモの国」
「ノモの国」の館長であるパナソニックホールディングス 執行役員の小川理子さんは、「『商品からパビリオンヘ、そして、再び商品へ』をテーマに、パナソニックグループが持つノウハウを最大限に活用し、製造分野で培ってきたパナソニックグループならではのリサイクルを実現する」とした。
「ノモの国は、企画段階から『循環』をテーマに資源循環型パビリオンの建設を目指し、設計や施工、展示、内装工事を進めてきた。これは、パナソニックグループの長期環境ビジョンである『Panasonic GREEN IMPACT』に準拠した考え方だ。パナソニックグループの工場で出た端材や廃材をアップサイクルした家具、家電から回収したリサイクル鉄や銅、ガラスを、パビリオンの建築資材として活用するなど、パナソニックグループならではの技術と循環スキームを生かしてきた。万博閉幕後もリユース、リサイクルを行うことになる。パナソニックグループの責任ある取り組みの1つになる」と述べた。
具体的には家電から回収し、パビリオンの主要な柱や梁(はり)の98%に使用している約97tのリサイクル鉄と、それ以外の2%を占める鉄の全てを、パナソニックETソリューションズ、パナソニックオペレーショナルエクセレンスが、東京製鐵と連携して、リサイクル鉄の循環スキームに戻すことで、再びパナソニックグループの商品の材料として活用する。
また、パビリオンで使用している691mの幹線ケーブルでは、家電のプリント基板から回収した約1.2tのリサイクル銅を使用しているが、これを三菱マテリアルとの連携により、リサイクルスキームに戻すことで、再びパナソニックグループ商品の材料として活用する。
さらに、重量ベースで建築物の約65%を占めるコンクリートをはじめ、石膏ボードやプラスチック、塩ビ管、金属屑などの建築資材についても再資源化を図る。
「再資源化した材料は家電への使用だけでなく、さまざまな分野に応用ができる可能性がある。協力会社との連携により、廃棄物1%未満の実現が見えてきた。持続可能な未来社会に貢献していくことができる。万博閉幕後も、次世代へとつながる新たスタンダードとして、価値ある取り組みになる」と述べた。
小川さんは、リユースの事例についても触れた。
太平洋プレコン工業との協業によって開発した、外構部に利用していた749m2分の舗装ブロックは、約9200台分の使用済み洗濯機のガラスを用いており、世界初の取り組みとして注目を集めていたが、万博閉幕後は、この舗装ブロックを大林組が建設する東京都清瀬市の技術研究所内の実験棟「オープンラボ3」の第II期建物の外構部に、165m2分を移設。残りの584m2分はパナソニックグループの門真本社構内駐車場に移設する。
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